マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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榛原柳・例会庚申講の営み

2018年02月23日 10時23分07秒 | 宇陀市(旧榛原町)へ
前月の3月27日に訪れた宇陀市榛原柳。

地区区長の了解をいただいて旧暦閏年の閏庚申行事を取材する。

この日の行事は60日おきに行われている例会の庚申講行事に数年に一度が当たりの年になる旧暦閏年の閏庚申の2本立てである。

例会は本来、2カ月に一度の庚申の日に行われるのだが、旧暦閏年の閏庚申に合わせ、一挙済ませる同一日の営みにされた。

例会・庚申講を営む場は旧長福寺である。

現在の長福寺は無住寺であるが、本尊由来から想定するに長谷寺真言宗豊山派のようである。

今は会所としても利用している長福寺前に石灯籠がある。

明和五年(1768)子十一月吉日に建之された石灯籠に「十一面観世音 御寶前 施主 柳村惣兵衛」の刻印がある。

その長福寺に東出・西出垣内がそれぞれ所有する掛軸を掲げて営みが始まる。

かつては講中ヤド家の営み。

もう一組は会所の営みであったが、場を一カ所に集約した営みに替えられた。



時間ともなれば昭和52年3月3日に表装しなおした東出、西出それぞれの垣内組が所有する掛軸を持ってくる。

大切に守ってきた庚申さんの掛軸は仏間前に掛ける。



左側は東出垣内の掛軸。

右に西出垣内の掛軸である。



東出・西出垣内合同の営みに供えるのはひと盛りのセキハン。



塩を盛ってローソクに火を点ける。

13戸の講中であるが、参列される人には身体の具合も悪い人もおられる。

柳は急坂に建つ集落民家。

杖をついてくる人や息子さんの介添えでくる人もいる。

この日に参列した講中は9人。



導師を務める区長が唱える般若心経は三巻。



一同も揃って唱えた心経である。

みなが心経を終えてから到着した婦人。



間に合わなかったが、お一人、無心に唱えていた。

柳は2組の伊勢講もある。

一つの組はヤド家の営み。

もう一組は会所にしたそうだ。

昔は当番家のヤド家ですき焼きもしていたと云うが、現在は簡略化されて、お茶程度の接待になっているようだ。

(H29. 4. 2 EOS40D撮影)