マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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岩屋町・弁財天の塔婆上げ

2018年04月06日 09時51分22秒 | 天理市へ
前年の平成28年7月21日に春日神社の「木鼻」調査に訪れた天理市岩屋町である。

旧五ケ谷村の米谷に向かう集落道に旧暦閏年の庚申塔婆が立ててあった。

願文はある程度判読できたが、祭った日を示す年代は見られない。

日焼けした塔婆は数年前なのか、それすらわからなかったが、願文は「奉修南無地蔵尊広大慈思 天下和順日月清明風雨以時災痛不起五穀成就」。

もう一つの塔婆は「奉修南無青面金剛童子菩提 天下和順日月清明風雨以時災痛不起五穀成就」。

三つめの塔婆は「奉修南無愛□権現広大慈思・・・天下和順日月清明風雨以時災痛不起五穀成就」であった。

その日以来、気になった岩屋の塔婆に変化があるのか、近くに来た際には必ず状況を確かめていた。

今年は旧暦閏年。

しているなら今年であったが、8月初めになっても変化がなかった。

断定はできないが、講中は解散したかもしれない。

その庚申塔婆より東へ240m向かった先に塔婆が見つかった。

汚れ具合から推定するに庚申塔婆と同じような時期と思われるが、この塔婆は庚申塔婆ではなく、弁財天を奉る塔婆であった。



願文は最初に六文字の梵字。

下って「奉修 南無弁財天 女広大慈恩 天下和順日月清明風雨以時災□(瘇)不起五穀成就」。

県内各地で見られる旧暦閏年の庚申塔婆の願文にとても似ているように思えたので、ここに挙げることにした。

(H29. 4.21 EOS40D撮影)