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映画 プライドと偏見(‘05)

2006-08-01 12:59:42 | 映画
 五人のキュートな娘を持つベネット家のベネット夫人(ブレンダ・ブレシン)の関心事は、娘たちに婿殿を与えることだ。
               
 18世紀末の女性には、財産の相続権がなく両親が亡くなった場合、路頭に迷うことになる。それを避けるためにはどうしても財産のある男をあてがわなくてはならない。母親としては心身とも疲れることだ。
               
 この階級の世界では、舞踏会やパーティが頻繁に行われ、あたかも集団見合いという趣だ。そして母親は、娘の売込みに躍起になる。
 そんな時代であってもプライドや偏見はやはり人間である以上持ち合わせている。それが恋の行方に微妙な影響を与える。
 結局主人公エリザベス(キーラ・ナイトレイ)とダーシー(マシュー・マクファディン)が結ばれるのであるが。
              
              キーラ・ナイトレイ
 この映画の映像美は、まるで絵画を見ているような見事な色彩と構図を見せてくれる。とりわけシャーウッドの森でエリザベスと叔父、叔母との会話シーン、それに続くダーシー宅の映像。ダーシー宅の彫刻の間の白を中心としたシンプルで意味を持たせた映像。
 この彫刻の場面について、監督解説で「この場面のテーマはセックス。エリザベスは官能性を発見する。肉体の官能性。ダーシーは富だけではない。エリザベスは、彼の教養や芸術の愛好にも感嘆する。ダーシーは鋭い感性の持ち主。そこにこそ彼女が惚れる」

 確かにセックスを感じなくもなかったが、監督の言うような点には気づかなかった。またこの場面は、実際にあるチャッツワース邸のロケで、18世紀の終わりから19世紀初頭にかけて活躍した彫刻家カノーヴァの実物の彫刻を配してある。一体で28億円もすることを明かしている。

 チャッツワース邸以外にも4邸イギリスの代表的な邸宅がロケ地に選ばれている。室内の場面でも、そのまま額縁に収めてもいいような映像が多く見られる。
 
 私が一番注目した俳優は、ベネット夫人を演じたブレンダ・ブレシンで、娘たちのことを思って奮闘する姿が印象的だった。この人は、前に一度見ている。ケヴィン・スペイシーの「ビヨンドThe シー」での母親役だった。

 監督ジョー・ライト1972年ロンドン生れ。英国アカデミー新人賞の受賞があり,この映画は、メジャー初監督作品。解説で、完成品を見たとき、チビルほど感激したそうだ。
考えてみると、メジャーのユニヴァーサル・スタジオから映画制作を任されるのだから気持ちはよく分かる。34歳という若さでの大抜擢となればなおさらだ。

 キャスト キーラ・ナイトレイ(エリザベス・ベネット役)1985年3月イギリスミドルセックス生れ。この作品で、2005年度アカデミー主演女優賞にノミネート。この映画の中でも、角度によってはっとする美しさをみせる。マシュー・マクファディン(Mrダーシー役)1974年10月イギリスノーフォーク生れ。ドナルド・サザーランド(Mrベネット役)1934年7月カナダニューブランズウィック生れ。ロザムンド・パイク(ジェーン・ベネット役)1979年1月ロンドン生れ。かなりの美人でこれからが楽しみというところ。ジェナ・マローン(リディア・ベネット役)1984年11月ネヴァダ州スパークス生れ。「海辺の家」にも出演。キャリー・マリガン(キティ・ベネット役)1985年5月イングランド生れ。この映画が初出演。タルラ・ライリー(メアリー・ベネット役)1985年生れ。この映画が初出演。ほかにジュディ・デンチ、サイモン・ウッズ、ルパート・フレンド、トム・ホランダー。