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読書 スー・グラフトン「ロマンスのR」 

2006-08-05 13:07:03 | 読書
 私立探偵キンジー・ミルホーンは久しぶりに恋をして愛し合う相手が出来る。サンタ・テレサ警察警部補チーニー・フィリップスで、親の遺産もあって警官という薄給をものともせず、大きな家を購入したりベンツの赤いスポーツ・カーを乗りまわしたりという身分。
               
 キンジーは、決して彼の財力に惹かれたわけではない。ハンサムとは言いがたいが、何か惹きつけるものがあって、キンジーにとっては珍しく下半身の熱望が抑えられない。

 そして、家主のヘンリーの恋の行方を心配したりギリシャ料理店のロージーの酸っぱいワインに顔をしかめながら、富豪の娘の出所を出迎えるという仕事がそもそもの始まりだった。
 
 その娘リーバは、会社の金を横領したという罪で二年服役していた。しかし、実態は経営者の身代わりで刑務所に入っていた。が、恋人でもあった経営者の狡猾な罠にかかったこと知ったリーバが、リーバの言うところの借りを返すことにとりかかる.それにキンジーも巻き込まれていく。それにしてもラストはあっけなく終わってしまう。

 私にはストーリーよりも観光的な記述や生活実態の記述の方が興味をそそられる。生活実態について 
 “外はまだ明るく、こもった熱気で歩道が揺らめいている。空気は肌にはりつくように重く、湿度は95パーセントぐらいあるだろう。
 雨が降りそうだが、今は七月の半ばで、十一月末まで日照りが続く――まれに天気が急変することはあるが。アパートはむっとするほど暑い。
 ポーチのステップに座り、たたんだ新聞紙で顔をあおいだ。南カリフォルニアでは、たいがいの地所にスプリンクラー・システムがついているが、空調設備がある家は少ない。私もクロゼットから扇風機を出して、寝る前にロフトに運ぼう”

 日本の熱帯夜と変わりない。スー・グラフトンはサンタ・バーバラに住んでいるので、そこの気候と思って間違いないのだろう。
 スー・グラフトンのホームページを覗いてみたので、写真を少し貼り付けておきましょう。          
               
               スー・グラフトンの仕事場

            
              スー・グラフトンと愛猫
コメント
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