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映画 ニコラス・ケイジ「ワールド・トレード・センター(‘06)」

2007-07-18 09:52:14 | 映画

 2001年9月11日、この日の出来事は全世界の人々にとって忘れられない日となった。人それぞれに自分の人生で忘れられない日がある。

 大学に合格した日、青春の真っ只中恋人と初めてキスした日、酒の味も知らなかった頃飲みすぎてぶっ倒れた日、結婚初夜などがあるが、いずれもそんなことがあったという程度だ。
 それに引き換え悲劇的な場面は、鮮明な映像となって甦る。太平洋戦争中の空襲のあとの見渡す限りの焼け野原で見た焼死体、沖縄戦でのモンペ姿の女性が米兵の呼びかけに崖から飛び降りる姿の映像、原爆投下あとの町並みの映像、それらに続く9.11のテロ攻撃によるツインタワーへの激突の映像。


 その映像を当時北海道旅行中のニセコの古びた国民宿舎で私は見てショックを受けた。この映画はそれらすべてを描写しているわけではない。事実はすでに詳しく知れ渡っている。むしろその渦中に放り出された港湾警察官の実体験を通じて人間愛を謳いあげている。

 港湾警察官ニコラス・ケイジたちは、ツインタワーへ救助に向かいタワーが崩壊して瓦礫に埋まってしまう。多くの同僚が死亡する中、何とか生きながらえて救出される。それまでの二次災害が心配される状況での救助、見守る家族の苦悶。この映画にはアメリカ国歌もゴッド・ブレス・アメリカも出てこない。ただ描いているのはなんの力もない家族だけだ。世界中どの国にもある家族だ。

監督 オリヴァー・ストーン1946年9月ニューヨーク生れ。‘86「プラトーン」’89「七月四日に生れて」でアカデミー監督賞を受賞。
キャスト ニコラス・ケイジ、マギー・ギレンホール、マイケル・ペーニャ、マリア・ペロほか