こんな経験はないだろうか。小学生のころ、近所の遊び仲間の女の子。半ばふざけていて弾みで女の子の手を握った。周囲の悪ガキにやんやと冷やかされ、それ以後なぜか女の子が気になる。
小学校から中学へ、だんだん遊びが少なくなる。女の子とあまり顔を合わせる機会がない。時たま道で会っても言葉を交わさない。気持ちは話したいが照れくささが先にたつ。成長して女の子は、素敵な二十代の顔になる。まだ、勇気が出ない。疎遠は進む。いつしか姿も見なくなった。女の子の残像があるだけ。
原題は、Love, Rosie。手紙などのサインに書く「愛をこめて ロージー」。
ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は、仲のいい友達。心の片隅に淡い恋心も芽生えているかもしれないが、お互い意識して告白をしない。むしろ他の女性や男性に関心があるように振舞う。
いまどきの映画は、そんな微妙な感情を捨てているのかいきなりくっついたりするが、この映画は古風といえば古風だろう。その微妙な感情は、時として悪さをする。
アレックスの友人グレッグ(クリスチャン・クック)と間違いを犯すロージー。そして妊娠。アレックスと約束をしたボストンでの大学生活。ハーバード大の医学部へ進むアレックス。妊娠のためボストン大を断念するロージー。ここで二人の歩く道は、左右に分かれる。 が、この道はやがて交わるときが来る。
私は今でもハッキリと覚えている可愛い女の子の顔を思い出させてくれた。ロージー役のリリー・コリンズは、1951年1月ロンドン生まれでロックバンド・ジェネシスのドラマーからエンタテイナーとなったフィル・コリンズの娘だ。
それではこの映画とは関係がないが、父親のヒット曲、1984年全米第1位の「One More Night」をどうぞ!
監督
クリスチャン・ディッター ドイツ生まれ。
キャスト
リリー・コリンズ1989年3月イギリス生まれ。
サム・クラフリン1986年6月イギリス、イングランド生まれ。
クリスチャン・クック1987年9月イギリス、イングランド生まれ。