世界が注視するといっても過言ではないギリシャの欧州連合(EU)案に反対か賛成かの国民投票が明日に迫った。
他国の人間としてギリシャのチプラス首相を見ていると、どうも信頼が置けない人物に見える。EUの最終案を受け入れると書簡を送っておきながら、テレビで反対票を入れてくれと呼びかける。さらにきのうだったか、携帯電話料や高速道路料を無料にするという焦りを見せた。
一国の首相がこんな裏切りとも思える行為を行うとは理解に苦しむ。選挙で国民に甘い言葉を振り撒き当選した手前、自分の掲げた政策を降ろすわけにいかない。猪突猛進とはこのことだ。 当然のことながらEU側の信頼も失った。国民投票の結果がどうであれ、迷走するような気がする。
そこで連想するのは、2009年に政権をとったわが国の民主党だ。大風呂敷を広げた点ではギリシャの政権と酷似する。いまだに思い出して笑ってしまうのは、高速道路の無料化だ。税金ですべて賄うことになるが、どこのそんな金があるのか、また信号のない無料の道路となれば車が殺到し大渋滞になるのではと当時夕飯時に我が家で話題になった。
事業仕分けで出てくると思ったのかもしれないが、あれも大した金額が出てこなかった。今は笹子トンネルの天井崩落事故もあって、時間帯による割引制度の見直しなどで実質値上げ状態だ。結局思いつきの政策といわれても仕方がない。ギリシャも同じ。両国の国民も反省しないとね。甘い言葉には毒がある。