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冤罪事件だと言われるウェスト・メンフィス3を映画化「デビルズ・ノット ’13」

2015-07-13 17:10:42 | 映画

             
 ウィキペディアによれば、ウェスト・メンフィス3(ウェスト・メンフィス・スリー)は、1993年にアメリカ、アーカンソー州ウェスト・メンフィスで起きた殺人事件について、3人の低学年の男の子を殺害したとして有罪判決を受けた3人のティーンエージャーの呼び名である。

 首謀者であるとされたAは死刑、残りのBおよびCは終身刑であった(A、B、Cの生まれはそれぞれ1974年、1975年、1977年)。

 この事件は地域社会のみならず全米からかなりの注目を浴びた。被告少年達は地域内では普段から変わり者と見られ、悪魔崇拝者との噂もあったことに対し、地域の大衆がメディアの報道や普段からの偏見によって煽動されパニック(モラル・パニック)を起こし、少年達を犯人に仕立て上げた冤罪ではなかったかとの批判も根強い。
 
 2011年8月19日、A・B・Cは無実を主張しつつ有罪であることを認める司法取引に応じ、10年の執行猶予で釈放された。結果的にそれまで懲役はそれぞれ18年をつとめたとある。
 
 映画は、少年3人の判決で終わるが、殺されたパム・ホップス(リース・ウィザースプーン)の息子スティーヴィーが常に持ち歩いていた小形のナイフが、どういうわけか夫テリー(アレクサンドロ・ニヴォラ)の道具箱に入っていた。殺された子供の靴紐についていた体毛とテリーの体毛とが一致したとテロップで流れるが、私立探偵のロン・ラックス(コリン・ファース)が現在でも調査を続行中のようだ。

 地域住民の偏見も問題点の一つだろう。例えば、スティーヴィーの母親パムは、テレビのインタビューで悪魔崇拝について聞かれ「だって彼らは不良たちよ。異常者ども。まともならあんな格好はしない。とんでもない音楽を聴くしみんな知っている。噂を聞いた人たちから私も聞いた。あいつらは悪魔を崇拝し犬を殺しているとか」と苦々しく答える。

 「あんな格好」というのは黒いマントを纏っていることだし、「とんでもない音楽」はヘヴィメタル。つまり攻撃的な音楽性と歌詞が目立ち、一般には悪魔崇拝やオカルト、猟奇的な犯罪、麻薬についてなど、退廃的で過激な歌詞や偏見を歌う。

 犯人とされた3人、リーダー格のダミアン・エコールズ(ジェームズ・ハムリック)とその友人ジェイソン・ボールドウィン(セス・メリウェザー)、ジェシー・ミスケリー・Jr(クリストファー・ヒギンズ)たちは素行がよろしくない。

 こういう条件が重なれば住民感情は、逮捕の時点で犯人と決め付けてしまう。警察の捜査も素行が悪く悪魔崇拝の異端の輩となれば犯人に仕立て上げるべくあらゆる手段を講じることになる。

 この事件の判決は、ダミアンには第1級殺人罪で死刑。あとの二人は第2級殺人罪で終身刑だった。恐ろしく思うのは、まだ十代の少年に死刑や終身刑を科されることだ。その点からも警察の捜査は慎重であるべきだろう。

 俳優で注目したのは、ダミアン・エコーズを演じたジェームズ・ハムリックだ。色白でかたちのいい顔にかたちのいい鼻と唇、女性的ともいえる風貌は、オカルト好きな男にぴったりだし、なにやら妖しい雰囲気も持ち合わせている。
原作は、2002年マーラ・レヴァリット著「悪魔の結び目」
       
       
       
       
       
  

監督
アトム・エゴヤン1960年7月エジプト、カイロ生まれ。

キャスト
コリン・ファース1960年9月イギリス、ハンプシャー州生まれ。
リース・ウィザスプーン1976年3月ルイジアナ州生まれ。
ジェームズ・ハムリック出自不詳。
セス・メリウェザー出自不詳。
クリストファー・ヒギンズ1989年3月ワシントン州スポーケン生まれ。
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