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ドキュメンタリー「グレート・ハック:SNS上最悪のスキャンダル」NETFLIX

2019-12-25 16:17:34 | 映画

 このThe Great Hackは必見のドキュメンタリーだ。SNSSocial Networking Service)が社会的ネットワークとして格段の広がりを見せている現代。嘘の情報拡散や個人情報の盗取など負の側面が顕著になってきている。さらに民主主義の根幹にかかわる大問題が浮上した。

 「告発」という本が最近発売された。書いたのはブリタニー・カイザーという女性。一方『国の行方を左右する選挙や国民投票で、カウンター・テロの技術が、投票を左右するために、有権者を標的に応用されていたーー。まるでスパイ映画のようなシナリオが、米英で「実演」されていた。「私はスティーブ・バノンの心理兵器を作った」。英国の大手紙・オブザーバーに、こんな衝撃的な見出しが躍ったのは、今年3月のことだ』と20181116日付で日経ビジネスにインタビュー記事として掲載された。

 心理兵器を作ったとして告発したもう一人の人物は、データサイエンティストのクリストファー・ワイリー29歳だ。ブリタニー・カイザーとクリストファー・ワイリーは、英国の軍需関連企業SCLグループの一員ケンブリッジ・アナリティカ社(Cambridge Analytica)に所属していた。ブリタニー・カイザーは、事業開発部長という肩書を持っていた。

 民主主義の根幹にかかわる問題というのは、2016年の大統領選挙でトランプ陣営がフェイスブックで590万の広告を打った。この広告が問題なのだ。CA社の役員でもあったスティーブン・バノンが選挙対策本部長を務め、CA社の研究成果を駆使したキャンペーンを展開した。

 2017年現在で月間アクティブユーザー207千万のフェイスブックの「いいね(Like)」を起点に人物像の解析結果を利用した。一人の人間のすべて、いい面も悪い面も知ることができる。行動は性格に起因し、行動が投票に影響するというわけで、特に態度を決めかねている人々を集中的にターゲットとした。トランプを擁護するとともにヒラリーを徹底的に攻撃した。しょっちゅうそのような動画付きメールを受け取っていれば気持ちはトランプへとなびく。

 ほとんどのメディアがアメリカ合衆国初の女性大統領誕生を予測した。結果は全く違った。これらを含めこのドキュメンタリーは、ドラマチックに描き警鐘を鳴らす。

 選挙民を意図的に操るという問題を今後どう扱うのか、さらに個人のデータの行方も気になるところ。データの価値が石油の価値を上回ったと言われるデータは誰のものか?。この事件以来、CA社は活動を止めているが、法的責任を逃れるため会社清算をしていないという。

 ブリタニー・カイザーは、データ権の専門家となり#OwnYourData運動を通じ政治家に協力、彼女の提供した証拠がブレグジットやデータ保護法についての議論の流れを変えたとテロップが流れる。

 企業はデータがユーザーの所有物であることを認めるべきだという声の高まりを期待したい。ネットで検索し「買い物」「記事を読む」「映画やドラマを観る」「人と交流する」「ブログで発信する」「画像や写真をアップする」「メールをする」「チャットをする」そして「いいね」を押しまくると私は丸裸にされ持病や飲むクスリまで分かってしまう。データはユーザの持ち物だ。


監督

カリム・アーメル出自未詳 

ジェヘイン・ヌジェーム(女性)19745月エジプト、カイロ生まれ。


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