壮絶な女の戦いの西部劇。ニューメキシコ州ラ・ベル。鉱山の町ラ・ベルは、崩落事故により男たちのほとんどが犠牲になった。残された女たちは途方に暮れる。そんな女たちを助けるという口実の偽善者が表れる。その偽善者が派遣する用心棒たちが町を牛耳り女を手籠めにする。
町はずれの荒野で野生馬の牧場を営むアリス・フレッチャー(ミシェル・ドッカリー)のところへ、無法者のロイ・グッド(ジャック・オコンネル)が転がり込む。ロイ・グッドは無法者の育ての親フランク・グリフィン(ジェフ・ダニエルズ)から、大金を盗んで逃げ出したのだ。怒り狂うフランク。
フランク・グリフィンは、30人の部下を従えて皆殺しをいとわない悪党。その悪党を追う連邦保安官ジョン・クック(サム・ウォーターストン)。
町を守る保安官ビル・マクニュー(スクート・マクネイリー)と助手ホワイティー・ウィン(トーマス・サングスター)。ビル・マクニューの妹メアリー・アグネス・マクニュー(メリット・ウェヴァー)が陰で兄を助ける形になっている。メアリーは、男装でガンファイトも助手のホワイティーの腕を上回る。
ロイ・グッドを追ってフランク・グリフィンがラ・ベルの町に近付く。騙され虐げられた女たちが立ち上がる。女の持つライフルの銃口は、建物の二階から無法者を待ち構える。
完全な勧善懲悪劇であるが、ニューメキシコ州サンタフェで撮影され、雄大な大自然と疾走する馬の美しさに魅了された。30頭の馬が川を渡渉する水しぶきは圧倒的だったし、平原を横切るショットも砂塵を巻き上げながらの怒涛の疾走もいい。
人間の方はというと、個性的な俳優揃いで大自然や馬に引けを取らない。1960年フロリダ生まれの脚本家・映画監督・プロデューサーのスコット・フランクによる。ロサンゼルス・タイム紙は、ハリウッドで最高の脚本家の一人と絶賛している。