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機密情報をめぐる地味なミステリー「MI5消された機密ファイル’11」劇場未公開

2014-10-06 17:28:37 | 映画

             
 英国保安局、いわゆるMI5の本部があるテムズハウスの玄関前からジョニー(ビル・ナイ)が帰路につく。徒歩で帰宅というのも映画では珍しい。バックにジャズが流れる。導入部はなかなか洒落ていて期待が高まる。

 自宅アパートのドアの鍵を開けようとしているとき、隣の部屋に住むと言うナンシー(レイチェル・ワイズ)と出会う。しかも、来客中というのに初対面のジョニーを自室に招待する。躊躇するジョニーに「来客があるからこそ」だと言う。

 何か訳がありそう。どんどん画面に引きずり込まれていく。ジョニーは疑いを持った。結婚と離婚を五回繰り返した身は、女性が魅力を感じる男であるのは確かだが、今回は流れが出来すぎている。そして諜報部員の得意とする調査を行う。

 そんな頃、上司で友人のベネディクト(マイケル・ガンボン)から機密書類を渡される。この書類の8ページ目、下段に書かれたアメリカの情報源が言うところの「英国政府は知っていた」という文言が波紋を広げる。

 これがナンシーとも関連することやジョニーと娘との関係も描かれ、007というような派手さはないが一種独特の味わいを持った映画だった。

 ジョニーを演じたビル・ナイの、ときには年齢通りの老けた感じがあるかと思えば、ときによっては素敵な初老の紳士という風情も漂わせていた。若いナンシーが心を寄せるのも分かる気がする。
 歳をとっても「こういう風なのがいいなあ」と思わせた。

 カーチェイスや銃撃戦を期待すると失望するからそのつもりで……。その代わり成熟した人間の心のひだが味わえる。とにかく、自分の口に合った美味しい料理を味わう余韻が、いつまでも残る気分にさせてくれた。
          
          
          
監督
デヴィッド・ヘア1947年6月イギリス、サセックス生まれ。
 この人は、’02年「めぐりあう時間たち」で脚本を担当。記憶に残るいい映画だったし、英国の作家ヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマンがアカデミー賞主演女優賞を受賞した作品でもある。

キャスト
ビル・ナイ1949年12月イギリス生まれ。
レイチェル・ワイズ1971年3月イギリス、ロンドン生まれ。
マイケル・ガンボン1940年10月アイルランド、ダブリン生まれ。

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