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ジョージ・クルーニーが珍しく悪役を演じる。珍しくと言ったが初めてではないかと思う。殺し屋の注文を受けて銃を製作する男を演じる。
冒頭、雪の山小屋で愛し合ったあと雪原に出る。銃弾が掠める。相手の男を仕留め、女に「警察に電話しろ! 急げ!」と言いながら女が向きを変えたとたん後ろから射殺する。
非情で残酷で孤独なこの男ジャック(ジョージ・クルーニー)は、警察沙汰なんて考えもしないこと。身の危険は避けて通り迫った危機は暴力と銃によって片付ける。
ある日、女の殺し屋から銃の注文を受ける。その銃の製作中に娼婦クララ(ヴィオランテ・プラシド)と出会う。この運命の出会いがジャックにこの稼業から足を洗う決心をさせる。
殺し屋の組織は、おいそれと承諾するわけがない。ジャックは狙われる。村の中で頭目と相撃ちになり、ジャックは腹に銃弾を食らう。朦朧としてクララの待つ場所へ車で急ぐ。
幸せを掴みかけた男と女。手が届く寸前にそれは流れ去った。イタリアの小さな村。マックもケンタッキー・フライド・チキンもファミレス・ガストもない素朴な田舎の村。
村の一本の道は、山肌を縫ってくねくねと延びる。静かな中に徐々にサスペンスが盛り上がるはずなんだが、いま一つそれがない。
娼婦クララのヘア丸出しの裸体がなければ退屈な映画だったかもしれない。ジョージ・クルーニーファンには、よかったのかもしれないが。
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監督
アントン・コルベイン1955年5月オランダ生まれ。
キャスト
ジョージ・クルーニー1961年5月ケンタッキー州レキシントン生まれ。
ヴィオランテ・プラシド1976年5月ローマ生まれ。
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