
意外と掘り出し物の映画だった。捻った物語展開と都合のいい偶然が重なる。四つの感情 幸せ(Happiness)、喜び(Pleasure)、悲しみ(Sorrow)、愛(Love)が交錯し、最後に収束するのが幸せ(Happiness)からのおこぼれ、銀行強盗の強奪金だった。
ユニークな切り口の映画ではある。Happinessの部は、フォレスト・ウィッテカーの銀行員がトイレで聞いた競馬の裏情報。いつも株式で稼ぐブレンダン・フレイザーが持ってきた現金をつぎ込む。
レースはお目当ての馬が転倒して賭け金5万ドルが露と消えた。この金はギャングのフィンガー(アンディ・ガルシア)の金だった。返済に迫られた銀行員は、銀行強盗を働く。ビルの屋上に逃げたが警察の包囲網を知り、奪った金のバッグを放り投げる。
その直後、警官の銃が銀行員を倒す。この放り投げられたバッグのことは、誰も気にしないだろう。それが最後にこいつが意外な役割を果たす。
その間、喜びの主役は、ブレンダン・フレイザーだし、悲しみは、ポップ歌手を演じるサラ・ミッチェル・ゲラー。愛はケビン・ベーコンの医師がそれぞれのパートを受け持つ。
偶然から派生する数々の出来事。人生は偶然に満ち満ちている。同じ電車に乗り合わせる。レストランに居合わせる。まったくの他人がそのとき、その場所にいる。いつもはそんなことはまったく気にもしていないが、映画のように客観的に描出されると、運命は偶然の産物かと思いたくなる。
この映画を監督したのは、中国系の人で初監督映画。出来は劇場公開してもいいのではないかと思わせるほどだった。しかも、眠くならなかった。
監督
ジエホ・リー1973年ニューヨーク生まれ
キャスト
ケヴィン・ベーコン1958年7月ペンシルベニア州フィラデスフィア生まれ。

アンディ・ガルシア1956年4月キューバ、ハバナ生まれ。’90「ゴッドファーザーPARTⅢ」でアカデミー助演男優賞ノミネート。

サラ・ミッシェル・ゲラー1977年4月ニューヨーク生まれ。’94年にエミー賞を受賞している。

フォレスト・ウィッテカー1961年7月テキサス州ロングヒュー生まれ。’88クリント・イーストウッドが監督した「バード」でカンヌ国際映画祭の男優賞を受賞。’06「ラストキング・オブ・スコットランド」でアカデミー主演男優賞を受賞。

ブレンダン・フレイザー1968年12月インディアナポリス生まれ。

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