人の不幸がメシの種。怪我や病気それに究極の不幸「殺される」などメシの種は多い。医師、刑事や警官、最も直接的なのは葬儀社。しかし、テレビ局も一翼をになっているのも確かだろう。早い話がNHKなども火事のニュースをトップに持ってきたりする。
そしてジェイク・ギレンホールが演じるルイス・ブルームは事件、事故、火事を誰よりも早く追いかけ映像をものにする。そして、テレビ局に高く売りつける。こういうパパラッチをナイトクローラーと呼ぶ。
ナイトクローラー業界も参入者が多いと競争が激しくなる。喰うか喰われるかのデスレースだ。ルイスは徐々に頭角を現し、ポンコツ車からスポーツカーに乗り換えた。しかも助手リック(リズ・アーメッド)を雇う。リックにナビゲーターをやらせ、いち早く事件現場へ。この作戦が功を奏しますます勢いに乗る。
頭のいいルイスは、夜間のディレクター、ニーナ(レネ・ルッソ)を手玉に取る。ニーナの身辺をネットで調べ上げた材料を交渉にうまく使う。あからさまに言えば「寝てくれ」と恥じらいもなくさらりと伝え、「歳が離れすぎよ」と言われても「年上が好きだから」と意に介さない。
この強心臓と大胆さは、この映画のハイライトを彩る。警察無線を傍受して強盗事件を知る。現場には警察車両が見当たらない。門を入って広大な玄関の車回しについたとき、室内から銃声が轟く。茂みに身を潜めていると、犯人二人が車に乗り込んで走り去るのをカメラに収め、男女二人が別々に死んでいる邸内の惨状も収録。
ニーナに高額で売りつける。そのときのセリフは、ニーナの傷口をナイフでかき回すような残酷さ。犯人については誰にも話さない。それが自作他演、つまり強盗殺人犯を追尾してレストランに入ったところを警察に通報。ルイスたちは逮捕劇を待ち受けるというものにつながる。
しかも警官一人が重傷で危篤、助手のリックが犯人に射殺されたにも拘らず平然とカメラを回し続ける。それは変質者そのものだ。9キロを減量し目をぎょろつかせ、頬のこけた異様な風貌がさらに変質さを高めているジェイク・ギレンホール。評判はいいようで、製作費850万ドル(約9億6千万円)、興行収入3800万ドル(約43億円)で黒字。
監督
ダン・ギルロイ1959年6月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。もともと脚本家で、この映画が初監督作品。ニーナ役のレネ・ルッソは妻。
キャスト
ジェイク・ギレンホール1980年12月ロサンジェルス生まれ。
レネ・ルッソ1954年2月カリフォルニア州バーバンク生まれ。
リズ・アーメッド1982年12月イギリス、ロンドン生まれ。
私のお勧め度:この映画を観ないでどの映画を観たいの? 話題としても必見。
ご面倒ですが、クリック一つで私は幸せになります。よろしく!
エンタメ(全般) ブログランキングへ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます