2008年以来、BBCでは最高視聴率を記録したこのドラマは見応え十分。ボディーガードと聞くとあの映画、コカインを吸引して浴室で心臓発作により48歳で死亡したホイットニー・ヒューストンがケビン・コスナーと共演したのを思い出す。
このボディガードが男、守るものは女性の場合、必然のように恋愛関係になる。ロンドン警視庁巡査部長デイヴィッド・バッド(リチャード・マッデン)は、妻ヴィッキー(ソフィー・ランドル)との間に隙間風が吹いていた。デイヴィッドのPTSD(心的外傷後ストレス障害)が起因しているのかもしれない。
そんな悩みを持つデイヴィッドが、列車の座席ですやすやと眠る二人の子供に上着をかけてやりながら乗客の行き来に目を泳がせていた。これは警察官の習性のようなものなのだろう。通路を女性車掌が通り過ぎて、トイレのドアを叩く様子を見る。内部からの反応がなくドアが閉ざされたまま。その様子を見ながら異変を嗅ぐ。
車掌室に出かけて身分を明かし事情を聞く。「ロンドン行きの列車に自爆テロ犯が乗車との情報が入っています」デイヴィッドは果敢に行動し、トイレで自爆装置を付けたナディアという女性を発見する。落ち着いた態度でナディアを説得、無事危機を脱する。
この行動を評価され女性内務大臣ジュリア・モンタギュー(キーリー・ホーズ)のボディガードに任命される。ジュリアは野心家で首相の座を狙っていて政権内で敵が多い。少々きつい性格が災いしているのか独身である。
ジュリアが自宅に帰り着いてもデイヴィッドが室内をくまなく点検、安全を確認したあとデイヴィッドは帰宅する。浴室とトイレ以外はいつも一緒に行動している。男女の相性が合えばなるようになる。自然に肉外関係がもたれる。
しかし、こういう関係は危険である。他人が知ればさげすみの目とともに現在の地位にも影響する。ジュリアはデイヴィッドに言う「担当を代わってほしい。でも、そばにいて欲しい。仕事としてではなく、お互いの選択として」
単なる火遊びではない、心から愛しているというジュリアの愛の告白は、講演中の爆死でうたかたのように消える。しかし、デイヴィッドの心には深く刻まれた。ジュリア殺害の真犯人逮捕に狂奔するが,あろうことか自身が犯人扱いにされるという窮地に立たされる。スリルとサスペンス横溢、DVDの発売なし、NETFLIXで楽しむ。
監督
ジェド・マーキュリオ1966年イギリス、ランカシャー生まれ
キャスト
リチャード・マッデン1986年6月イギリス、スコットランド生まれ。
キーリー・ホーズ1976年2月イギリス、ロンドン生まれ。
ソフィー・ランドル1988年4月生まれ。