猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

ふたつの 「バビロンまで何マイル」

2007年07月05日 11時00分45秒 | マンガ家名 か行
 佐藤 史生 「心臓のない巨人」 ・川原 泉 「バビロンまで何マイル?」


佐藤 史生 「心臓のない巨人」 1999年2月20日 PFコミックス 初版 ㈱小学館 
ブック○フにて350円にて最近購入

川原 泉 「バビロンまで何マイル?」 1997年12月17日 白泉社文庫 初版 ㈱白泉社
たれぞ~さんにお借りしています。

 はて、なにゆえ2冊の本が、一緒に写真に納まっているかと申しますと…。コミックス 「心臓のない巨人」 の中に、その半分を占めて 「バビロンまで何マイル」 という作品が収められています。 「?」 記号は有りません。一方ご存知の方も多いと思いますが、川原 泉の中篇はそのまま 「バビロンまで何マイル?」 という題名の作品です。こちらは 「?」 記号がついてます。
 
 「バビロンまで何マイル」 という言い回しは、マザーグース に出てくる言い回しで、慣用句のようなものかなと思うのですが、「後どのくらい行ったら(努力したら)桃源郷にたどり着けるのか」 というような意味かなーと思っているのですが、違う意味でしょうか ? どなたかご存知なら教えてくださいな。

 
佐藤 史生 「心臓のない巨人」
 これは少し前に読んだ原作付の佐藤作品より面白いと思った。SFが2編入っていて、「心臓のない巨人」 は一つの国のように大きな巨大宇宙船に起こった事件とその結末。
 「バビロンまで何マイル」 はSFサスペンス、そこに出てくる霊感人形 (本当は人形じゃないのだけど) の名前が 「チェザーレ」 う~~ん、あれれ  ???? もう一つの川原作品と関係あるのか~ ? 謎は謎を呼ぶ~。

7年に一度の星祭の翌朝、タキツス市長の若い夫人が猟奇的な死体姿で発見される。彼女は母星 (ホーム) を買うために高級売春婦をしながら宇宙をさすらう宗教集団の 元尼僧 だった。彼女達は誰かに追われ殺されながらも、自分達の母星を買うために身も心も切り売りしながら宇宙空間を逃げているのだ。そこには地球から遠い昔に飛び立った移民船の乗組員達とその星の原住民達の悲劇的な物語があったのだ~~。あーっ、奇想天外の着想で説明できない ! 
 この題名はまさに自分達の都、国を求めてやまない彼女達の気持ちが表されている、と思うのですが。


 一方 川原 泉氏 「バビロンまで何マイル?」 

 は簡単に言っちゃうとタイムトラベルものだけど、文庫の三分のニ以上は、イタリア・ルネサンス期の1500年前後に生きたボルジア家の兄妹チェーザレとルクレツィアに主人公達が遭遇したお話になってます。
 幼馴染の仁希(にき ♀)と友理(ゆうり ♂)は溺れていた小人の妖精のおじいちゃんを助けたお礼にソロモンの指輪をもらい、時間旅行に無理やり行くことに。だってこのタイムマシン (?) 行き先もいつ行くかも自分で決められない、それどころかいつ帰れるかも分からないという困った代物。
 
 2度目のタイムトラベルで行ったヴァチカンでチェーザレたちと逢います。最初に行った恐竜うごめく原始の森では、仁希が残したウィルスで恐竜達が絶滅したというおまけがつきましたが、このお話ではふたりは歴史をかい間見ているだけで影響は特になし。
 もしかしてカーラ教授、このあたりの歴史が面白くなって途中でここだけじっくり描きたくなったとか ? 
 始めの予定ではもっといろいろな所、たとえば本当にバビロニアの都まで行くつもりでは無かったでしょうか。長らく未完状態のようでしたが、間が開いて完結し、文庫の方には完結編で載っています。(コミックス版では未完)
 こちらの作品では、始めの方に 仁希 がバビロンまで行けるかも、とか言っているので、ソロモンの指輪で遠いところまで行けるかしら、という意味で付けた題名だと思うのですが。

川原 泉  バビロンまで何マイル? は 花とゆめ1991年7月号と1997年12月号

佐藤 史生 バビロンまで何マイル  は 1997年 プチフラワー1月号と3月号

の初出です。

 多分お二人とももう一つの作品は知ってらしたと思いますよ。題名は同じですが、内容も味わいも全然違う作品です。
コメント (14)
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