みやげとは宮笥(神社の供物の容器)か屯倉(稲倉、地方の産物の収納庫)が発祥とある。お参りの直会(なおらい)や「おかげ」のおすそわけという意味合いもあると定義している。<o:p></o:p>
さらに、日本のお土産文化は独自でしかも食物が多いと分析している。発祥は門前町の餅・団子・饅頭が名物化してしかも保存できるようになり、鉄道のネットワークの発達で持ち帰りができるようになり発達したのではないかとの仮説を証明している。知見をまとめると:<o:p></o:p>
・運びやすい地図や薬からハレの食である砂糖を使った「名物」に<o:p></o:p>
・物語性、名所は「ナドコロ」でお土産にも「由緒」が必要<o:p></o:p>
・お土産の配送は昔からあった<o:p></o:p>
・黍団子、吉備団子は並立から、日持ちのする求肥の吉備団子に変化、桃太郎や山陽鉄道の関連で普及<o:p></o:p>
・戦争と鉄道の普及、復員のお土産として波及効果も、戦争便乗ビジネスのハウツー本「戦時成功事業」、「自ら気さくを案出し苟(いやしく)も新事業を発見し持って実業界の覇王たり、世界の金傑たらんこと」だそうだ、そのひとつが「土産物陳場」<o:p></o:p>
・八ツ橋の本家争いと普及、京都第4回内国博覧会の出品がきっかけ、駅の立ち売りで更に普及<o:p></o:p>
・修学旅行もお土産の発展に、京都の新京極<o:p></o:p>
・丸ビルの空室対策の地方物産展展示所も好評、アンテナショップの源流の一つ<o:p></o:p>
・大垣の柿羊羹の発展と鉄道路線変更での衰退」、もみじ饅頭は宮島土産の轆轤細工、日清戦争の際は杓子「杓子は敵をメシトルなり」は軍人に人気に次ぐ物<o:p></o:p>
・機械化と画一化のジレンマ:どこに行っても同じような土産、大量生産の「レールもの」<o:p></o:p>
・ご当地限定商品、プリッツなど<o:p></o:p>
・社員慰安旅行と、夜の町(お参りの後の精進落としの伝統)と適当な土産物から、団体旅行の衰退と個人旅行の発展による女性好み土産への転換<o:p></o:p>
・「萩の月」と「白い恋人」 は飛行機で発展、メディアが後押し<o:p></o:p>
・「ひよ子」は福岡発だが、東京でも生産、どちらの土産か分からない<o:p></o:p>
・東京土産は不在が続いたが「東京ばな奈」が戦略商品としてグレープストーンが開発、羽田と東京駅に目をつける<o:p></o:p>
・「いやげもの」のぺナントは衰退、お土産のスーベニア化(西洋化)も進みそう<o:p></o:p>
・食べ物の「名物」お土産を配るは根強い習慣、大阪の「アリバイ横丁」は逆手に<o:p></o:p>
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結論は消費・観光の振興と鉄道、博覧会、戦争と軍隊という近代化がお土産を経要させたとある。お奨めの著作だ<o:p></o:p>
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