有名な厚い本の抜粋と付け足しで図版が大幅に削除された文庫版。知見は:
・基準階平面はアメリカ型でヨーロッパ型ではない
・日本式の「関係者全員参加」のミーティングは「全員がすべてを知る」ため合理的・効率的で常用
・「ポートマンのパラドックス」:アトリウムはダウンタウンを取り込むが、ダウンタウンを荒廃させる
・ウォーターフロントについて、①パッチワーク、②インフラは実用的な後知恵、③人口は甘やかされた者か甘やかす者、④人口密度は定住がないためヴァーチャル、⑤暫定コミュニティ、⑥建築はアイコン、⑦都市も建築も維持不可能な破壊性、⑦多様な文化の共存、都市かリゾートかも曖昧 →各国のウォーターフロントは新規開発が多く、位置付けが悩ましいエリアだ
・槇文彦:日本とアメリカにまたがる、「集合体」(Collective Form)を生み出す(ひとまとまりになる理由を持った建築の集まり)、Group Formに親和性(差異化された形態的・帰納的な共通因子が連結装置のなかで発達、要素と骨格のあいでに有機的な相互依存性のある集合体)
槇文彦への評価が高いが、レムの弟子のザハとの新国立競技場でやりあうとは思っていなかっただろう。ザハは逆に、建築の周辺環境を「建築の背景」としか考えていないのではないか