都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

プログレッシブキャピタリズム(ジョセフ・E・スティグリッツ):大御所が、格差と金融保護の政策に怒る

2020-06-21 02:00:06 | マクロ経済

 名著、公共経済学のスティグリッツ( https ://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BB%E3%83%95%E3%83%BBE%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%84 )、金融政策には反対の立場が一貫している海水派でMIT出身のケインズ派。

 提言をまとまめた内容だが、脚注が詳く面白く、できれば各ページにつけて欲しいと思う。

 主張は、ブードゥー経済学としてのサプライサイド経済学(レーガン時代)のトランプでの再来への批判だ。金持ち優遇政策(税制)とトリクルダウン効果( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E7%90%86%E8%AB%96 )、金融保護に反論している。まったく賛同する。この亜流が、アベノミクスの安倍晋三や非正規雇用を推進し、個人的な利益相反(人材派遣や金融関連企業の役員就任など)が疑われる竹中平蔵だ。

 富を持つものは、レント・シーキング(不労所得の追求)をして、過剰な所得を得ているというのはピケティと同じ指摘だ。また、CEOなどの利益追求も立場利用の同様の行為としている。これらの富裕層をクラブと定義し、クラブの中の収益拡大行為が、国としての富の創造を阻害し、格差を増大させると結論付けている。

 

 貿易協定は発展途上国の利用による企業収益の増大と、発展途上国からの搾取があった。ルールを作るべきで、トランプの喧嘩貿易・自国保護は間違っているとの主張も賛同する。

 公平を確保するために、政府の介入は欠かせない。規制緩和のやりすぎは良くない。政府の役割について大学を交えた「市民も参加の共同行動」への議論が必要と結論付ける。しかし、これは難しいと思う。官僚は政治家に動かされている。

 経済について

・イノベーション経済

・都市型経済

・環境保護、複雑化、流動的ななかでの相互依存の経済のグローバル化

 富裕・貧困の教育など格差継承、世代間の格差拡大には、逆進税制を改革とレントからの収入も課税が必要。我が国でも所得の累進課税の増大による再配分や、マイナンバー利用での貯蓄の名寄せと脱税防止などが望まれる。今までは、税金を払わないのが賢いという風潮があったが、富める者は支払うというnoblesse oblige ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5 )の気高さを評価すべきだ。

 77歳の筆者の提言は良くわかる。安倍もトランプも今回のコロナで信頼を失った。また、経済支援の予算もうなぎ登りでばらまきだ。しかも、無担保無利子という劇薬と、民事再生多発による金融破綻懸念がある。我が国では、日銀の資産の拡大と手詰まりがある。今後は、リーマン・ショック程度の株価下落と信用下落での債券利率上昇があれば日銀の資産は不良化する。

 今こそ、富裕層への課税を決断すべきだ。日銀を使い低金利・大量資金緩和でインバウンド・ツーリズムと富裕層の資産増大をおあった「悪夢のような」アベノミクスからの回復はそれしかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする