最近、マンション業界で売れ行きがはかばかしくない。その原因は短期的には①地価・建設費高騰により2~3割値上がりしたこと、②高所得者、ファンドの取得が激減したこと、③経済低迷で取得(投資)に向かわず、模様眺めにあることがある。<o:p></o:p>
もっと大きい流れてとしては、高度成長時代 賃上げが行われた。しかし賃上げはボーナス値上げにもつながるため、企業はフリンジ・ベネフィットとして社宅、低利融資、社内貯金、手当て(住宅補助、家族補助 等)を充実させる方向に向かった。これらは、バブル崩壊以降、フリンジ・ベネフィット・カット、つまりは実質賃下げとなり、今に至る。更には残業支給までカットで社会問題となりつつある。<o:p></o:p>
そのなかで、金融機関を初めに社宅は売却され、マンションとなった。企業の社宅制度が、分譲マンションという代替物に取り変わった。その後、95年以降、首都圏では10万戸/年の供給が続いた。需要が無くなるのではないかという恐れも、社宅が無くなったためか、また好立地の物件が多かったこと、都心への居住移転もあり、ついこの間まで売上は順調であった。<o:p></o:p>
いつまでも、マンションは売れるものだろうか。都心居住は良いが、都心立地(大規模跡地開発、立地創造:都心にあるが回りに賑わいの少ない物件)はこれから苦しいだろう。郊外でもバスに乗る立地はどうなるのか。新浦安の面的マンション開発を見て思う。<o:p></o:p>
需要として若いサラリーマンの新規取得があろうが、負担は相当大きい。(30代で年収500万円だと3,000万円位が上限、ローンを2,500万円、25年 3.5%返済で年間152万円の返済、管理費・税金など入れると月15万円の負担となる)ざっと年収の35%くらいであり、アメリカでも25~30%くらいだから相当高い。<o:p></o:p>
となると都心居住への住み替えによる、郊外マンションの売却が相当進めば、中古マンション市場がお手ごろに若いサラリーマンに供給できるだろう。新浦安のような郊外で緑の多い立地は特に小さな子供のいる青年層に良い。リタイア後は狭くても(子供が巣立った後:Empty Nesters)<o:p></o:p>
都心居住をお奨めする。郊外のマンションは部屋も多く、車も必要であり、若者層に譲るという年齢間でのやりとりの仕組みが欲しい。そうすると、マンション住民の入れ替わりも出来て、幼稚園と老人ホームの融合(かまわれたい子供とかまいたいお年寄り)も考えられる。そのためには、「入れ替わり補助」として、マンションのリニューアルや修繕について公的な支援(低利融資など)が欲しい。<o:p></o:p>