都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

世界恐慌が来るはずがない:アメリカ型投資手法の見直しが起こる

2008-11-08 13:54:01 | マクロ経済

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現在の株安はどう見てもオーバーシュートである。恐らくは空売りが多く、手仕舞いの売りも多いからであろうが。サブプライム・ローンが全部不良債権化しても140兆円である。(ちなみにGDPはアメリカが日本の倍)バブル崩壊後の日本の不良資産が100200兆円とか言われていたのよりずっと少ない。日本のバブルの影響は欧米には波及しなかったはずだ。今回、サブプライムの問題は、アメリカの消費が低迷することであろう。新聞によるとアメリカの消費も借金(ローン、クレジット)から脱却しているとある。(Y(生産)=C(消費)+S(貯蓄)=C+G+I+Nx(純輸出))マイナスの貯蓄率がプラスに転じることは、つまり消費が減ることである。また給与自体も減っている様子(=GDPのマイナス)もあり、更に消費は減るだろう。ということは、アメリカの市場で売っている日本のNx(純輸出)が減る。更に円高であり価格競争力が低下し売上も減るというのが大きな懸念だ。<o:p></o:p>

そのため、業績の良いパナソニックなどは補完のためサンヨーと合併を図り、ソーラー、有機ELなどの中期投資に向かっているのであろう。良く言われていたDecoupling(デカップリング:発展途上国が国債成長を補完する)とういうのも、現状では全く意味がない。世界経済の一体化と景気の同時連動がある。またTrickle-down effect (トリックルダウン・エフェクト:金持ちの消費が、生産を誘発しその下の階層にまで良い効果をもたらすこと、または高価な製品の技術が、対価格の製品に技術移入すること)も単に、お金持ちを更に富ませ、経済の内輪化、投機化と所得の二極化をもたらしたのみである。<o:p></o:p>

アメリカのモデルは、ローンで消費する、貿易赤字はドルの国債流通量の拡大で賄う(ドルの増刷)、流通量拡大で金利と信用は低下するはずだが、そこは「世界の警察」と「世界の金融」の2枚看板で補う。その間に、デリバディブで投資銀行は鞘(リスクより大きいプレミアムとして)を抜き儲ける。今回はその金融商品で内部破綻(信用格付け、リスクの根付け)し、信用をなくしている。ドルが円に対し下がるのも当たりまえである。円が上がるのは、今までの過小評価からであろう。<o:p></o:p>

最近、J-REIT(不動産投信)の価格が下落している。アメリカ型投資(取得し短期に売り抜ける)への見方が冷たくなっている。持ち主が短期で入れ替わるビルに敷金を預ける気になるだろうか。持ち主と、ビル管理会社が全く違う状況ではどうだろか。プロジェクトのフェーズと役割(インベスター、ディベロッパー、オペレーター)を細分化してよいものかどうか再考の時期ではないだろうか。これは、住宅の開発・借り上げシステムなども当てはまりそうだ。<o:p></o:p>

中身の良く分かる「表示」と「所有者として責任」の明確化が求められよう。<o:p></o:p>

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