都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

交易利得とは:新聞は脅かさないで

2008-11-22 16:01:07 | マクロ経済

1117日の夕刊、「交易利得」が31兆円ほどマイナス(内閣府「国民経済計算」)だとの記事があったが、不安を無用にあおる記事ではないか。同日、GDPの発表があり、マイナスであり「不況(recession、もっと恐慌になるとdepression か)」との記事が掲載されている。初めて、「交易利得」をよく調べると、ある年度を基準とした、輸入価格と輸出価格の変動差異という。つまりは原油高などで前より「損」をしているという結果らしい。GDPと同じくいうのであれば純輸出(Nx)を言うべきだろう。これは今でも30兆円はあるはずだ。<o:p></o:p>

新聞は「株安・円高」で騒ぎすぎであろう。前は「株安、債券安、円安のトリプル安」で日本パッシングと書いていたはずだ。考えてみよう、アメリカは、不況の上、株安、ドル安(つまりはインフレの危険性)、その上輸入超過(Nxがマイナス:海外からつけがある状況)、そして財政赤字。これに比べると日本はよほど良い。その上貯蓄がある。これを使わない手はない。<o:p></o:p>

アメリカでは今やノーベル賞のクルーグマン(朝日新聞記事)も、財政赤字にかかわらず財政政策の必要性を説いている。これはオークンの法則(失業率変化と経済成長率の負の相関)に基づくもので、要は財政政策とその波及効果で失業率を下げ、GDPギャップを縮めようという考えだ。(今では長期フィリップス曲線(インフレと失業率のトレードオフ)ではなく、経済学の根拠はオークンの法則となっていました)ここでも、有効な公共事業の投資先が少ないこと、波及効果がそれほど見込めないことを問題に挙げられていた。そして「今は財政赤字も横においておくべきだ」とあり、アメリカの経済が深刻な状況にあるのが分かる。<o:p></o:p>

日本はまだまだ良い。昨日あたりの新聞だとカルチェ(Cartier)も値下げするそうである。銀座に軒並み出店したスーパーブランドもこの有様である。次は、材料価格も値下がりで、うどんも下がるだろうか。住宅下がり、地道に貯金されてきた方には返って良いのではないか。経済記事に流されるのは止めよう。ゆったり、ユニクロを着て、近所を家族で歩くのも面白いのではないか。<o:p></o:p>

忙しい金持ちより、のんびりした時間持ちに。<o:p></o:p>

コメント
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