都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

「歳出の無駄」 井掘利宏 を読む

2008-11-24 11:34:30 | マクロ経済

 東大の教授で公共経済学(スティグリッツの名著あり)がご専門のようである。無駄を「絶対」と「相対」、「結果としての無駄」に分け、「絶対的な無駄はコストの比較なしに定義できるとある。次の相対的無駄は公共サービスの便益がその財政調達費用(コスト)より小さい」とし、更に「結果としての無駄」として「事前には必要な歳出が事後的に不必要」としている。例示は<o:p></o:p>

     絶対的な無駄(1):公共サービスの質を落とさないで削減できる歳出<o:p></o:p>

     絶対的な無駄(2):歳出自体がマイナスの便益(過剰な公務員の福利厚生費用、諫早湾の干拓 等)<o:p></o:p>

     相対的な無駄: コストが掛かりすぎの青函トンネル等<o:p></o:p>

     結果としての無駄:大きな災害への備えで見積り違いによる無駄<o:p></o:p>

なかなか良く分類されている。<o:p></o:p>

 私なら、マトリクスで、縦軸で政策の評価を、「マイナス効果」か「非効率」に分類し、横軸が「運営(フロー収支)」、「投資(ストック)」 に分けて分類したい。「マイナス・運営」が③赤字運営の設備、「マイナス・投資」②諫早湾のダム、「非効率・運営」①高すぎる運営、「非効率・投資」④事業性・効率性に欠けた投資(調査が不十分でバイアスが掛かっているもの)と分類したほうが分かりやすいと思うがどうだろう。<o:p></o:p>

 著者は「第七章 無駄を削減する方法」で無駄をとりまとめている。但し、前記分類との相関が明らかでない。無駄の分類をしたなら、その結果、対処方法など連続性が欲しい。(できれば検討過程のフローがあれば当方のような浅学菲才には助けとなる)<o:p></o:p>

 このような著作はこれからの低成長時代に効率的な公共投資はなにか、小さな政府とは何か、地方行政とは何かに大いに寄与する。もはや大型プロジェクトでなく、小さく、あるものを使いながら、地道に良くして行く政策が求められよう。<o:p></o:p>

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京都でお絵かき

2008-11-24 10:57:10 | 都市生活

今日は天気も良いし、紅葉でもあるのでかねて目をつけていた上賀茂の柿を描こうと自転車行った。朝早くなのは、西向きなので光が午前中のほうが良いこと(光を受けた柿の艶はたまりませんぜ)、人通りも少なく集中できることがある。<o:p></o:p>

酸茎(すぐき)の漬込みもやっているお屋敷の裏を描こうとしている。1時間ほど鉛筆でスケッチしたが、座っているのがコンクリートなのでお尻から寒さが染みる。ひいていたのが古新聞で、もっと持ってくれば良かった。柿の熟度(もっと紅くなる)、抜けるような青空との対比がいまひとつでもあり、柿の色づく来週まで順延。(防寒対策を念入りに)それにしても上賀茂の街並みは穏やかである。ふらふらと南に向かい、北山通りで高松伸作WEEKが不動産会社管理になっており地下の理容店を残しテナントが無かった。近くのSYNTAXの様に建替えになるかもしれない。久々に建物を見てみると導線が別れ使いにくそうで、鉄部は錆が目立っていた。こんなディティールに「神は宿らない」ぞ。悔しかったら、40年持つビルを設計してみろと思った。(あくまで私見だが、同氏は最近作風を変えているようだとしても、建築には社会的責任がありむやみな建替えにつながる設計はエコではないぞ、そして街並みも考えて欲しいものだ)<o:p></o:p>

京都一番の心がたゆたう本屋、それは恵文社である。品揃え、センスに堪能した。(どこか明るいと良いな)その後、中京区での古本市を覗いたがいまひとつ。10kmくらいポタリングで疲れてしまいまいした。(途中でカンパニョーロの古いレコードかコーラスセットのレーサー(自転車)を見た。後輪が今では珍しい平面カーボン張り合わせ(昔はタイムトライアル用)でチューブラータイヤなのが素敵でした。なおこちらはミシュランの38B<o:p></o:p>

窓からの東山は数年ぶりにお色が美しい。<o:p></o:p>

 

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