都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

都市計画学会の会合から:都市経済の源泉はなにか、ギャンブル・シティ、コンビニ・シティ

2008-11-02 20:01:56 | 都市評価

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中国の香港や澳門(マカオ)、深圳(シンセン)の現地視察のお話しを伺った。とても面白い内容だったが、先ず気がついたのが。中国は低密度な国土である。その中で香港のような400/aのような高密度と都市があるのは集中の願望かと思った。<o:p></o:p>

 次に、深圳などは土地所有制になり、政府の土地収用もあり地主は多額のキャピタルゲインがあり、更に出稼ぎの人に貸すアパート経営でインカムゲインもあるとお聞きした。そのお金をマカオのラスベガスみたいな大型カジノコンプレックスで散財しているとのこと。このコンプレックスは「ヴェニス」のようなものもありなかなか凝っているが訪れるとあまりの「作り物くささ」に唖然とするらしい。成長というより、なんか日本のバブルのやりすぎ建築を想いだした。<o:p></o:p>

 次に香港は高密度で、お家は寝るだけ、食べ物も楽しみも街中にある「コンビニ・シティ」とのこと。あの暑さと音と熱気と匂いは相当のストレスではないか。(今日は、洛中から、大枝(柿の産地)で無音と葉のざわめきを楽しんだが、そこでの実感。香港は付け足しの文化で油絵のよう。日本は白地を生かす水彩画かな。)江戸も出稼ぎが多く、食事はもっぱら屋台、一膳飯屋であったと聞くが。香港の便利は分かるがあれは行き過ぎたコンパクト・シティであろう。<o:p></o:p>

 さらに、都心にサービス業が発展し都市内消費が多いのは良いということを伺った。都市に必要なのは先ず産業ではないか。経済学ではY(生産)=C(消費)+S(貯蓄)とある。先ずはYつまりは基幹産業がないと消費が、貯蓄が出来ない。香港はYに目を向けると金融であろう。(個人の生産性(給料)が高い。深圳は恐らくIT関連なのであろう。これらで収入があってこそ、外食などのサービス業が成立する。<o:p></o:p>

香港も深圳もどうもサブプライム・ショックを受けそうである。BRICsもすべて旗色が悪い。その上で、都市としての収入も、サービス産業もどうなるのか。スラム化の指摘もお聞きした。<o:p></o:p>

産業とは、ものづくり、ノウハウの伝授、内輪のコミュニケーションで都市の「伝統」としして根付くものではないか。香港は金融文化がある。深圳は何があるのかな。そしてマカオはどうなるのだろう。マクロな興味は尽きない。

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コメント
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