ちょうど1年前、スイスのアルプスで羊の群れを守る
護衛犬の記事を紹介しました
それから1年、NZZ(新チューリヒ新聞)に護衛犬が再登場
・・・と言うことは、つまりオオカミの被害があるわけです
タイトルは「オオカミの火消し役」(つまり、オオカミ追い払い役)
羊飼いの女性は「放牧羊護衛隊」のメンバー(本業は果樹園経営)
彼女のそばに3頭の大型犬がいるのにご注目
この中で、護衛に当たるのは左の白い犬さんで、あとのお二方は牧羊犬
牧羊犬さんは、羊の群れをまとめるのがお仕事(緊急時には護衛犬のアシスタント)。
左の白い犬さんはマレンマーノ・アブルツェーゼという生粋の護衛犬
イタリア・マレンマ地方原産で、先祖代々、放牧羊の群れを守ってきた由緒ある家柄。
ピレネー犬に似ていますが、やや小型、ピレネー犬同様、非常に自立性が高く、つまり、自分で判断して行動するタイプ。一般的な意味での「職業訓練」は、できないそうです(する必要もない)。
多分必要なのは子犬のときの「しつけ」だけ・・・
牧羊犬とマレンマーノの動きの違いがはっきり判る動画を見つけました。
ちょっと長いですが、小型の牧羊犬が群れをまとめ、マレンマーノ・アブルツェーゼの護衛犬数頭が群れの保護にあたる様子が良く分かります。
護衛犬のリーダー、ヴェリーノ
イタリア語のタイトルは「仕事中のマレンマーニ・アブルツェージ」で、マレンマーノ・アブルツェーゼの複数形(パストーリはパストーレの複数形で言わば「放牧者」)
羊飼いの人が、クギ付きの緑の首輪を付けているのが、護衛犬のリーダー、ヴェリーノ。クギ付きなのは、オオカミが攻撃する場合、首を狙うため。
怪しい接近者その1はイノシシで問題なし。怪しい接近者その2は、一見ジャーマンシェパードっぽく見えますが、きっと、その血統の混ざった野犬なのでしょう。護衛が多いので、すぐに去って行きます。つまり、ガードがしっかりしていれば、オオカミ(または野犬)と護衛犬が実際闘う必要はめったにないのでしょう。
羊飼いの人はヴェリーノとの関係を「男同士の親友」みたいなものと言っています。
迷子になった羊にも付き添って、食事なしで2日も羊を守ったことがあったそうな・・・
一生懸命「職務」を果たす犬さんたちは健気で感動的です
Wikipedia:
マレンマ・シープドッグ