前回のついでに、数年来アップしようと思っていたルキノ・ヴィスコンティの「
ルードヴィヒ」です
DVDのケース
ロミー・シュナイダーの全く別のエリーザベト
何故このDVDを買ったかというと、学生時代ヒアリングの教材として映画「ルードヴィヒ」を見たことがあったからです。当時は全然聞き取れなかったし、映画監督が何を言いたいのかも、さっぱり分かりませんでしたが、豪華で時々幻想的な画面は印象に残りました。
仕事でロミー・シュナイダーの資料を読む機会があり、あの映画はなんだったのか?と改めて考え出しました。
ところが、
バイエルン王
ルードヴィヒ2世も極めて伝説的な人物で色々な劇映画、ドキュメンタリー映画があり、学生時代に見た映画がどれだったのか確定できず、どうせならヴィスコンティにしよう(ロミー・シュナイダーの「別の」エリーザベトも見られる)というわけで、この超大作映画のDVDを購入。
イタリア語版の予告編
歴史上のルードヴィヒと周辺の人々はドイツ語を話すわけですが、監督とスタッフがイタリア人なので、イタリア語版が本来のオリジナルです。
戴冠から謎に満ちた死までが描かれ、ほぼ4時間で、分量的にも超大作。長すぎるので分割されており、なんだか数回のテレビドラマ・シリーズみたい。
ロミー=エリーザベトの現れるシーンのひとつ
エリーザベトは沢山、大型の猟犬を飼っていました(と言っても自分で世話をするわけではなく、大きな犬舎があり犬係が世話していました)。
戴冠式の場面
こういう儀式は世界中どこでも仰々しいですね。でも、この映画では「絵本」にならず重厚です。
今日の蛇足
ルードヴィヒと言えば
ノイシュヴァンシュタイン城。撮影にも使われています。あまりに観光名所なので、行ったこともなく、今後も行く予定はありません
この映画の重要な軸は、ルードヴィヒと
リヒャルト・ワーグナーの不思議な関係です。ルードヴィヒがパトロンとなる前のワーグナーは破滅一歩手前で、ルードヴィヒの援助なしには作曲家ワーグナーは存在し得なかったでしょう。
映画の中にもワーグナー作品が効果的に使われています。
ルードヴィヒを演じている
ヘルムート・ベルガーはオーストリア人。日本語ウィキでバーガーと表記しているのは、アメリカ経由の発音による表記と思われます。エリーザベト→エリザベートの場合同様、ベルガーを日本語訳したものがバーガーと言うこともできるでしょう。
最後に…
DVDを見ても、やっぱり監督が何を言いたいのか、はっきり把握できませんでした。しかし、ヴィスコンティが自らの人生をルードヴィヒと重ねあわせ、情熱を注いだことは確かのように思います。
アマゾンで販売されています。
と言っても買う必要はありません。YouTubeに沢山紹介されています