以前にアップした「
2つの美術館」の記事があった9月24日付けNZZ(新チューリヒ新聞)には、もうひとつ日本美術の記事がありました。
2つの美術館のあとゴタゴタしまして、アップが遅くなりました
タイトルは「漆黒を読み取る」で、その下には「
伊東深水の作品は全て黒髪をめぐっている・・・しかし日本文化そのものも、この黒い導きの糸に貫かれている」と書かれています。
スイスの美術館に展示されている伊東深水作品と「黒髪文化」を解説した記事です。
私は知りませんでしたが、伊東深水の絵も木版画になっているのですね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_5.gif)
江戸時代からの伝統と言えるでしょう。
以下内容の要点です。
深い黒髪は絵画における際立ったエレメントであり、白い顔と紅い唇を一層際立たせる。
洗髪の後で髪を梳るのは、日本伝統の柘植の櫛である。
髪は一種の「表示」である。子供、娘、未婚女性、既婚女性、御所の女官、遊女など、夫々、独自の髪型があった。古い時代、女性は結婚すると眉を剃り落とし、鉄漿で歯を黒く染めた。
武士は兜をかぶる場合のため月代を剃っていた。明治時代にちょん髷が禁止されると男性は暫く戸惑った。当時は、これを揶揄する慣用句があった。(「散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする」のことですね)
・・・それにしても、兜不要の農工商の方々も月代を剃っていたのは、暗黙の社会的お約束だったのでしょうか・・・
神社仏閣では今でも奉納された大量の髪を見ることができる。
(つまり「髪の霊的力」が信じられていたということでしょうか)
谷崎潤一郎は重要な随筆「陰翳礼讃」の中で、日本伝統の美の世界を描写している。
最近では、2007年に園子温監督が、映画「エクステ」で、ホラー的な髪を扱っている。
住んでいないせいもあるけど、最近の日本映画のことは知りません。この記事の筆者は良く知ってますね。
沢山見たことはないけど、伊東深水の絵は本当に爽やかで美しいと思います
展覧会のスポット広告
展覧会のHP(ドイツ語ですが、伊東深水の絵が見られます)