この絵のタイトルは「2人のジプシー女と猫」ですが
猫さんは慎ましく窓辺でシルエットになっています。シルエットが可愛らしいですね
制作者
オットー・ミュラーは
ドイツ表現主義の代表的な画家のひとりです。
ナチスの時代、ミュラーの作品は「
退廃芸術」とされ、357点に上る作品がドイツ各地の美術館から押収され、その13点がナチスの1937年の「退廃芸術展」に展示されました。
ミュラー自身は1930年に結核で世を去っていますが、当時活動中で「退廃芸術」の烙印を押された芸術家は苦難の歳月を送ることになりました。その中には
強制収容所に送られ殺害された人々も少なくありません。失われた作品も多く、文化史上の膨大な損失と言えます。
上記リンクの「退廃芸術」記事は詳しいので一読に値します
ジプシーは
差別用語とされ、代わって
シンティ・ロマ人という用語が使われるようになりましたが、芸術作品が制作された時点での用語は、そのまま使われます。
ツィゴイネルワイゼン(ジプシーの舞曲)や「
ジプシー男爵」などは、「シンティ・ロマの舞曲」とか「シンティ・ロマ男爵」とか呼び変えると、ちょっと語呂も悪いようです。