以前にトラフズクのヒナが助けられた話を紹介しました:
庭→四つ足→保護施設
同じ保護施設「フクロウ・猛禽類ステーション」に保護されている
ヒゲワシのミアさんが大怪我をして、右足切断の手術を受けました。
そのままだったら、長くは生き延びられなかっただろうということですが、ウィーン大学の整形外科医とウィーン獣医科大学の獣医が協力、スウェーデンとアメリカの専門家も協力して、骨直結型義足をつける手術が成功しました。
義足のミアさん
猛禽類でも一般のワシ・タカ類の足の骨には直結型義足はつけられないそうですが、ヒゲワシは動物の死骸を食べるため、足の骨が直結型義足取り付け可能な構造なのだそうです。但し、足に極度の加重があるため、人間が用いる従来型義足の装着は不可能とのこと。
とにかく、ミアさんは世界で初めて義足を付けた鳥となったのです。
義足が、あまりに快適だったため使い過ぎて、手術から数ヵ月後に最初の義足が壊れてしまったそうですが、すぐに、もっと丈夫な改良型をつけてもらいました。
ヒゲワシは広げた時の翼長が3メートル近くなり、体重5キロで、ヨーロッパ最大の鳥類ですが、オーストリアでは一度絶滅し、今も極めて稀な存在です。ヨーロッパ全域における種の保存と遺伝子多様性確保のため、どの1羽もかけがえのない貴重な存在。
手術までには
CTはじめ最新の外科・獣医科技術を駆使した複雑な準備があり、手術そのものも言わば大冒険だったのですが、幸いにして成功しました。
手術チームと「患者」のミアさん
ミアさんは、今後ともフクロウ・猛禽類ステーションで暮らします。
元気で長生きしてほしいですね
追記:ヒゲワシのミアさんを助けようとする手術チームと関係者の情熱は、日本における
トキや
日本コウノトリ存続に努力する人たちの情熱と同じだと思います。それは地球に広がる豊かな自然への大きな愛
トキに関する以前の記事:
にっぽにあ・にっぽん