国際刑事裁判所という国際機関があります。地球レベルで、
ジェノサイド、
人道に対する犯罪、
戦争犯罪など
重大な犯罪の責任者たる個人を起訴し、罪状を決定します。
国家規模での犯罪である場合が多いので、自国の政策(の責任者)が訴追対象となるため、この裁判所を拒否する国も多く、様々な紆余曲折を経て1998年に発足したこと自体、奇跡的と評されます。
世界
123ヵ国が締約国ですが、国際政治で最も影響力のあるアメリカ、ロシア、中国は参加していません。
アメリカは、アメリカ国民が訴追される場合に保護するため特別法を設定しています。ロシアは締約国でしたが、
クリミア半島併合の後に脱退しています。中国は一国の主権を損なうとして初めから参加していません。
下の写真は国際刑事裁判所で有罪となった人物が入る独房です。
この独房に入るべき(逮捕状が出ている)人物としては・・・
スーダンの
オマル・アル=バシール元大統領は、クーデターで政権を奪取した軍部が拘束していて、今のところ引き渡しの意向は無いようです。
ムアンマル・アル=カッザーフィーは訴追されていましたが、本人死亡のため訴追停止。
その息子の
サイフ・アル=イスラームは、逮捕状が出ていますが、リビアの有力勢力に「保護」されていて、上の独房に入る可能性は殆どありません。
そして今最も注目されるプーチンについては、ロシアが締約国を脱退した今、全く逮捕・投獄される希望はありません
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唯一可能があるのは、本人が締約123ヵ国のひとつに滞在している場合ですが、これも全く見込みがありません
それでも、国際刑事裁判所の人たちはウクライナにおけるロシア(プーチン)の戦争犯罪を調査しています。
これまで国際法廷で活躍してきた
カルラ・デル・ポンテも、必ずプーチンを法廷で裁くと前向きの姿勢です。