前々回で本が到着し、
前回読みかけだった
Rot ist mein Name
先を読まずにはいられない面白さで、550ページを1週間で読み終わりました

伏線と言うか、思いがけない展開や肩すかしがあり、最後まで「油断のならない」物語です
英語Wikiの記事で述べられているように、中心的登場人物の名前カラは、トルコ語で「黒」を意味します。
つまりトルコ語読者は、常に赤と黒を意識して、あるいは潜在意識の中で対比しながら読むのでしょうね。
各章は様々な語り手が一人称で登場します。最初に登場するのは殺されたばかりの死体です。馬や犬や木や贋金も語ります。一番多く登場する語り手はカラですが、一度だけ「赤」も一人称で登場します。
この物語の本当の主人公は「赤」と細密画、そして、
パースペクティブによる西洋絵画と細密画の間の相克です。
オスマントルコの細密画については英語Wikiに詳しい記事があります,
Ottoman miniature
オスマントルコの細密画2例
オスマントルコの細密画工房の様子
さて、前々回に触れた「大博打」も読み始めたのですが・・・
甘粕正彦が一人称の語り手です。ところが70ページまで読んだところ、
大正天皇が少し登場する以外、殆ど
大杉栄のことばかりなのです

私が読みたいのは甘粕正彦のことです。
満州国とは何だったのかという問題です。まあ、オーストリア人から見れば大杉栄が焦点になるのかも知れませんが・・・
それで、この本は途中放棄しています。気が向いたら又読んでみるかも、かも