シュテファン寺院西側入り口(正面入り口)上部にあるパイプオルガンは、過去25年の間演奏されることがありませんでした。
それが、10年前からの抜本的な修復・拡張を経て再び演奏できるようになりました。
Covid-19パンデミックで延期されていた記念ミサも10月4日行われました(ドイツ語ではOrgelweihe=オルゲルヴァイエ)。
再生・拡大されたオルガンについての英語ページ
シュテファン寺院のオルガンに関する詳しい記事はドイツ語Wikiだけです。
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教会のパイプオルガンというのは、普通の楽器とは全く次元の違う、言わば宇宙のような存在です。
普通の楽器は演奏ヵ所と音源が一体になっていますが、パイプオルガンでは音源のパイプが大きく数も多いため、演奏台(コンソール)は離れているのが普通です。見た目も、ちょっとコクピットのようです。演奏者は両手・両足を駆使し八面六臂の活躍です。
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教会のパイプオルガンは、当然のことですが、教会で聞かなければいけません。普通の楽器では、音が一点から発せられるのですが、パイプオルガンの音は空間となって聖堂内を満たすのです。私の拙い表現力では、その迫力を表すことができません。
教会でのパイプオルガンの宇宙的な音響を初めて体験したのは、ライプツィヒのトーマス教会でした。トーマス教会はバッハがトーマスカントルを務めた教会として知られています。
これと似た体験をしたのは、ウィーン現代音楽祭で、笙の演奏を聞いたときです。細川俊夫の作品ではなかったかと思います。
(プログラムを探し出せば確認できるのですが横着を決め込む
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笙は言わば携帯できるパイプオルガンのようなもので、音が空間を創り出すのでした。
追記:第二次世界大戦末期の1945年4月、シュテファン寺院でも火災が発生、プンメリンが落下して割れたほか、パイプオルガンも焼け落ちました。当時はソ連軍の仕業だとかドイツ軍が砲撃したとかデマ(現代語でフェークニュース)が流されましたが、今では、周辺の店舗などで盗みを働こうとした暴徒の放火がシュテファン寺院に延焼したことが判明しています。火事による熱気がパイプに流れ込み、誰も演奏していないのに、オルガンは大きな音を立てながら焼け落ちたそうです。
その後1960年に新たなオルガンが建造されましたが、これは応急の解決策で、そのため1990年頃から色々な問題が生じていました。
そもそもパイプオルガンというのは建築に近いもので、制作ではなく「建造」あるいは「構築」するものです。それで最初のタイトル「空間を創る楽器」も「空間を創る構築物」に改めました。
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シュテファン寺院には他にも小型のオルガンがあります。
ドームオルゲルと呼ばれるオルガン
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2009年に没後200年を記念して建造されたハイドン・オルガン
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