昨日はオーストリアのナショナルデーでした。
Nationalfeiertagを直訳すれば「国の祝日」ですが、他の国々における建国記念日や独立記念日に相当するものです。
オーストリアのナショナルデーは、国会で永世中立が決議された日を記念したものです。
ドイツの場合は、東西ドイツ再統一の10月3日が同様の祝日となっています。
ちょっと古くなりましたが、10月9日のNZZ(新チューリヒ新聞)に、カタルーニャの住民投票の結果を受けて、2ページの記事が掲載されました。
左ページには「極限ケースとしての主権」右ページには「カタルーニャを失望させたEU」という記事が載っています。
大きな世界地図は主権を巡って紛争中の地域が示され、下の棒グラフは1900年以降の独立国を示しています。
1900年、世界の独立国数は僅か50でした。本来、独立国であるはずの広大な地表面積が植民地として宗主国に隷属していたからです。
第一次大戦後、国際連盟が出来ても、植民地の独立はあまり進まず、1950年の独立国数は84でした。
いわゆる植民地独立ラッシュの60年代を経て、1970年の独立国数は140、次いで1980年には164、冷戦終結と東欧の解放を経た2000年には192。
このグラフの最後は2013年で独立国数195となっています。
第二次大戦後に生まれた国連の大きな重点課題は宗主国と地続きでない「海外」の旧植民地の「非植民地化」でしたが、それが一段落した後の重点課題は「平和確保」に移っています。
地図で示されている現在の紛争地は、既存国領内あるいは隣接する地域の独立問題です。従来ある国の一部であった地域が独立すると、それに伴う混乱が平和を脅かす可能性があるので、「独立問題」よりも、その地域の安定が優先されます。
と言っても、国連やEUの決定には一貫性がなく、コソボが独立を認められたのに、他の紛争地域は無視されているのが現状です。
他方では、例えばクルド人の独立を認めると、問題が数ヵ国に及び、中東の国家区分が根本的に揺るがされる危険があります。
スペインでカタルーニャが独立すると、バスクその他の地方も独立を主張するかもしれません。スペインがバラバラになってしまいます。
この混乱を避けるため(抑止するため)EUでは、EU加盟の既存国家から分離独立した国は、EUから除外されるという規定を設けています。
カタルーニャは、これまで何回か独立を試み弾圧されていた地域で、しかもEU支持なので、現在継続中の独立運動ではEU支持を強調し、EUのバックアップに期待していたのです。しかしEUはカタルーニャの独立より、スペインの政治的安定を重視したのです。
長くなるので、続きは次回にします でも乞無期待
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