まず「ジプシー」という言葉は差別語ということで、大まかに言って世界的に使われなくなっています。
それに代わる言葉が「ロマ」「シンティ」です。
しかし、やむを得ずジプシーのまま使われるものもあります。ヨハン・シュトラウスのオペレッタ「ジプシー男爵」なんか、いまさら「ロマ・シンティ男爵」なんて言っても奇妙です。
今回の「ジプシー、オー」も、その一例。
定住民と非定住民の対立・葛藤は太古からあったようです。しかし、このテーマに本格的に触れようとすると、大変なことになるので無視

他方、一見自由に見える移動民に対する定住民の憧れにも長い歴史(あるいは伝統?)があるようです。
その「状況証拠」として有名なのが「The Raggle Taggle Gypsy」です。
平たく言えば「わいわいがやがやジプシー」あるいは「はちゃめちゃジプシー」で、ジプシーは単数だったり複数だったりします。
18世紀前半スコットランドを発祥の地とし、今はイギリス、アイルランド、北米などに幅広く普及、愛好されているようです。
この歌では、富裕な若い貴婦人が夫も財産も捨てて、ジプシーの仲間に加わってしまいます。
このYouTubeでの演奏が、ジプシーの魅力を良く表現しているように思います
非常に普及しているので、クラシック歌手によるCDもあります。
カウンターテノールのアンドレアス・ショルによる「ジプシーオー」(ここでは複数形)
歌詞が表示されるので分かりやすいと思います
妻に逃げられた夫は馬で追いかけるのですが、やっぱり妻に肘鉄を食らいます(カワイソ

この歌の入ったアンドレアス・ショルのCDは持っているのですが、最近聴いていませんでした。
数日前にラジオから流れてきたので突然また思い出しました

このCDは日本アマゾンには無く、ドイツ・アマゾンでも残り2点、amazon.comにまだあるようです(試聴もできます)


カバー写真は私の持っているCDと違います。
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