日本のことわざに「男は敷居をまたげば7人の敵あり」というのがありますね。
この人数は多いのか、少ないのか
これに比べて超大規模なのが・・・
聡明な女性には数百万人の敵がある。それは全ての馬鹿な男たちである。
こう言ったのは、作家マリー・フォン・エブナー=エッシェンバッハです。英語ウィキ
彼女はオーストリア帝国の男爵家に生まれ、父は後に伯爵となりました。フランツ・ヨーゼフ皇帝と同時代人で、皇帝同様、彼女も今年が没後100周年に当たります。それで3月12日付NZZ(新チューリヒ新聞)に特集記事が載りました。オーストリアのラジオでも記念番組がありました。
彼女は、貴族でありながら、貧困問題に関心をもち社会批判的な作品を多く残しています。その作品は今もオーストリアの学校で教材として使われています。19世紀末から反ユダヤ主義の社会的風潮が強まると、反ユダヤ主義に反対するグループにも参加しています。
貴族的な保守性も残しながら、革命的な視野をもっていたので「保守的革命家」とも呼ばれています。
彼女がまだ無名だった頃、友達へ書いた手紙に「有名になることは何の意味もありません。創作することが全てです」と書いています。
彼女の著書はドイツ語では今も入手できますが日本語版はないようです。
蛇足でない蛇足
前回の「川を渡る人々」の写真には色々疑問がありました。しかし、これは、とんでもないデタラメから始まったのでした。
3月17日のNZZ
当時、イドメニの難民キャンプで数千枚のチラシが撒かれました。ドイツ語とアラビア語で「何日何時これこれの地点から国境の川を渡ろう」と呼びかけるものでした。このため、多くの難民がチラシの指示に従い、恐らく支援者が車を提供したりして、人々が川を渡ったのでしょう。しかし彼らは、マケドニア側で警官や兵士に捕まり、拘置あるいは強制送還されたということです。チラシの出所は不明のままです。
この記事によれば、小型飛行機を使った「難民輸送業者」まで現れているということです。動産・不動産を売り払った資金が沢山あったとしても、数千ユーロの飛行機料金を払える人は僅かでしょう。それでも、こうした違法の「難民輸送業者」は大もうけしているようです。
以前に紹介した無責任な違法輸送業者の悲劇:71人
もうひとつの蛇足
聡明な女性に数百万の敵(全ての馬鹿な男たち)があるとして、聡明な男性の場合は・・・全ての馬鹿な女たちが敵なのかなぁ
自分が戦争になってやむなく難民になってしまった時、
どうなるのか. . . って、そもそも
難民というものができない世界ならいいのですが、
そこから非常に難しい問題ですね. . .
戦争や紛争が少しでも減ればいいのですが。
チラシは. . . どうなんでしょう、難民受け入れ反対派が
まいたのかもしれませんね. . .
そして、どうでしょう。男性はすべての愚かな女性が
敵にはならなそうなイメージです。わかりませんが。
というのも、あこがれたり崇拝したりするほうにも
人がたくさん集まりそうだから。
ただ、女性の場合は聡明すぎる、もっといえば
男性である自分より賢いというと、確かに
敵扱いとなる場合のほうが多いかも。
敵とは言わないまでも、嫌がられるというか。
最近になって生じた問題ではなく、第一次大戦(あるいは遡れば産業革命と植民地時代)から始まった問題が、冷戦時代のコルセットにはめられて潜伏し、そのタガが外れてシッチャカメッチャカになっているということでしょう。
解決しようという様々な努力、もっと混乱させそうな無責任な動き、そこから派生する新たな問題などが、もつれ絡みながら、世の中が動いていくのでしょう。
魔法使いの杖みたいな即効薬は全くありません
記事の最後に書いた私の疑問。実は私も、逆は同じにならないな、そこが問題だな、と思っています。
誰を、あるいは何を「愚か」「馬鹿」とするかの定義の問題がありますからね。
例えば「女は家にいて子供を産みさえすれば、他はどうでもよい」なんて考えは「馬鹿」と定義して良いでしょう。
じゃあ「男は腕力が強ければ、他はどうでもよい」というのが馬鹿な考えのひとつとすれば、あるいは聡明だけど腕力はない男性には不利かも・・・
これも、ややこしい問題で即効薬はありませんね