今回遺跡海岸を去年に続き2回目の作業場に選んだのは帰り際にこの懸崖松を発見したからだった。
この松を素材にしたくてやってきたがすぐには取りかかれなかった。
取り掛かったものの黒い苔と青い苔の部分が滑り足場が悪く本当にエネルギーを消耗した。
地元写真家の知り合いは何度も写真で挑戦したようだ。
”どうにかなりませんか”とおしゃるが挑戦するつもりでですとしか言えない。
彼が子供の時から同じ姿だそうだ。
盆栽では人の力を借りて数百年も同じ姿を保っているのがあるが自力でこの姿を保っている。
たまたま来る前に法医学の本を読んでいたことと持ってきた素材の中に白い反物2本とグレーの袋帯があったので使うことにした。
”葬送”
こんな題で作るとますます長生きするように思う。
角度を変えて。
角度を変えて。
根っこは岩に食い込んでいる。
枝も岩より硬いみたいで一度はカーブしたものの風や波で動くたび岩を削り穴をあけていた。
特別な人間もいるが特別な松もあった。
部分。
部分。