宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)11月10日(日曜日)弐
通巻第6269号
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「後出しジャンケン」でブルームバーグが大統領予備選に乱入
民主党の候補同士の罵り合いに党員はうんざり。新風が期待されるか
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マイケル・ブルームバーグは全米第11位の大金持ち。前NY市長でもある。かれはジョン・ホプキンス大学からハーバード大学ビジネススクールに学んでMBA取得。ソロモン・ブラザース証券で辣腕をふるった。アシュケナージ系ユダヤ人である。
NY市長は2002年から2013年、ジュリアーノの後釜として当選した。そのときブルームバーグは共和党だった。2016年の大統領選挙でも立候補を準備していた。
かれの創設した経済ニュースのブルームバーグは、ほかのメディアがまったくふるわないマスコミ世界にあって、ひとり気を吐く媒体であり、その親会社の株式の過半をブルームバーグが保有する。つまり彼の資産は持ち株の時価評価が主体だ。
民主党の大統領候補レース、まだ正式な予備選が始まっていないのに、本命視されたバイデン元副大統領は他の二人に水を空けられずに苦戦を強いられている。
サンダーズは社会主義者、ウォーレンは極左。だからバイデンは中道に見えるが、かれもリベラルで、かつ親中派である。
そのうえ、バイデンは76歳、サンダーズ78歳、ウォーレン70歳。なんと民主党もジジィ&ババァしか候補がいないのか(ブルームバーグも77歳である)。
この状況なら「後出しジャンケン」でも勝ち目があるとブルームバーグは読んだ。
アラバマ州の民主党予備選登録のため、先週からブルームバーグの周辺がざわついていたが、彼が参入すると、バイデン優位は決定的に崩れるだろう。
トランプと対決して勝てるか、どうかは未知数。なにしろブルームバーグは死刑反対、銃規制強化、同性愛OK、中絶OK、親中派の代表的人物ときて、トランプを熱狂的に支持するエバンジュルカルとは百八十度異なる主張をしてきた。