(今日のデモ犬。。。)
しばらく訓練ネタが続いたので、今日は犬の口腔ケアについてお話します。
私は25年くらい歯科衛生士をしていたので、歯石除去に関してはちょっとうるさいっ。
犬の歯は、人間の歯に比べると私が触れた感覚としては、柔らかい気がします。
歯の表面を見ると、人の歯に比べて透明感が少ないし、細かい傷もたくさんついています。
ウチは、骨やアキレスなどのオヤツを与えないので、ドッグフードで傷がつくということは、
あまりエナメル質が硬くないのかなぁと思うのです。
透明感がないのも、石灰化が密ではないような気がしてなりません。
歯の素材同士の結合が粗であるということは、汚れもつきやすいと言うことです。
彼らは、人ほど、歯で引きちぎり、噛み砕いて、練って丸めて、飲み込むというような
細やかな口の動きをしません。
そのためにあまり硬さが必要なかったのかもしれませんね。
歯磨きの記事はだいぶ前にUPしてあります。
こちらをよかったらご覧くださいね~
今回は、スケーラーの使い方です。
わりと皆さん、犬の歯石除去ってやったことがある人は多いのではないでしょうか。
パリッと取れる瞬間が楽しいんですよね。
でも、スケーラーの使い方を間違えてしまうと、歯を傷つけたり、歯肉をひっかいて
犬が「も~やだ~~っ!!」ってなっちゃったりするので気をつけてくださいね。
私が誰にでも使いやすいかなぁって思うスケーラーは
このタイプ。
鎌形スケーラーという形なんですが、この鎌の部分が長いものもあるのですが、
口の中で動かしやすいという意味で短いタイプを使用します。
スケーラーはほじくるためのものではありません。
赤く線を引いている部分は、刃物になっています。
新しいスケーラーでこの部分を歯肉に当てて横に引いちゃうとスパッと切れます。
なので横に引くのは厳禁です。
このように刃の部分を犬の歯面に当てます。
その時に、口の中で刃物を動かしていると言うことを必ず意識してくださいね。
もしこれがカッターナイフだったら誰でも慎重に扱うと思うの。
丸印のように、必ず患歯(またはその隣の歯)に指を添えて、固定してくださいね。
歯の表面は滑りやすいし、歯石がある時は、それなりに引き上げる力も必要になります。
ツルッと滑って、歯肉や顎にスケーラーが刺さる事故が無いように気をつけてくださいね。
スケーラーは必ず歯軸(歯の先端と根っこの先を結んだ線)方向へ歯肉から歯の先へ
引きあげるように動かしてください。
この時に、良くやってしまうのが、歯石の端っこにスケーラーの先端を引っかけて
引くというやり方↓
先ほども書きましたが、先端が尖ってるスケーラーは先端も鋭い刃物です。
これでガリガリやったら歯の表面は傷だらけになってしまいます。
一度、この先っちょでピカピカのステンレスの流し台でもカリカリしてみてください。
残念な傷が残ってしまうことでしょう。
傷をつけてしまうと、歯石が付着するサイクルはテキメンに短くなります。
人の場合では、スケーリングの後に、歯の表面をポリッシングと言って、機械をつかって
磨き込みます。
磨きが足りないと、よく「歯石を取ってもらったら、次から付くのが速くなっちゃったわ」って
事になってしまいます。
でも、犬の場合は、なかなか自宅にそういう機械もありませんので、
ウチでは、なるべく歯の表面を傷つけないようにスケーリングして、
普段の歯ブラシをきちんとすることで、歯の表面に汚れをつけない!
そして、歯の表面を細かく磨く!それで、結構上手くいってます。
犬の歯が柔らかいという欠点を、逆に歯ブラシで毎日適切に磨きこめば
歯の表面がなめらかになるという利点に変えるわけです。
もちろん磨き過ぎは良くないので、加減して下さいね~。
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