旅と歴史

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東福寺は臨済宗東福寺派の本山です。

2006年09月06日 | 旅 歴史
 東福寺は臨済宗東福寺派の本山です。嘉禎2年(1236)関白の九条道家が聖一国師を開山として菩提寺建立を発願し創建されました。延応元年(1239)に大仏殿が上棟されました 。19年の歳月をかけて建長7年(1255)に七堂伽藍が完成しました。五山の一つで「東福の伽藍面(がらんづら)」とまでいわれ壮観を極めました。 東福寺の名前の由来は、奈良の東大寺のように大きく、興福寺のように盛大を極めた寺にと、それぞれ一字ずつとって「東福寺」と命名されたそうです。 東山の山腹と渓谷を利用した境内には、国宝に指定されている室町最古の三門があります。至徳2年(1385)頃建設されたようです。五間三戸二階二重門、入母屋造り、本瓦葺きで切妻造り本瓦葺きの山廊があります。わが国最古で最大の禅堂は国の重要文化財です。別名、僧堂・選仏場とも呼ばれる座禅するための堂です。14世紀ごろの造立だといわれています。7間に4間の広さがあり一重で裳階が付いた切妻造りで本瓦葺きです。 日本で唯一重要文化財に指定の禅宗寺院様式の「東司」(とうす)は長さが35mもある便所です。浴室も歴史が古く長禄3年(1459)の造立です。禅宗浴室としては現存最古のものです。方丈庭園は鎌倉時代の手法を用いた昭和の枯山水です。角石と苔とが描く市松模様の北庭はよく知られています。竜吟庵の方丈は現存最古の方丈建築で国宝に指定されています。
 本堂と開山堂を結ぶ歩廊の「通天橋」の下を三ノ橋川が流れ、洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる渓谷を創っています。紅葉の名所となっていて、橋のなかほどにある張り出し舞台にたつと素晴らしさが実感できます。 この東福寺も度重なる兵火と明治14年(1881)の失火で仏殿、法堂、庫裏などを焼失しています。
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