昨夜は疲れていたのでフィールドノートの更新をせずに就寝した。今日の午前中にそれをすませ、午後は昨日の教室会議の詳しい議事録(欠席者が多かったので)を作成して先生方にメーリングリストで流した。そういうわけでずっとパソコンの前に座っていたので、昨日郵送されてきた中学生作文コンクールの最終審査作品(35本)を鞄に入れて、外に出た。それを喫茶店で読むためである。「ルノアール」で10本、「珈琲館」で10本、「カフェ・ド・クリエ」で5本、そして帰宅して残りの10本を読んだ。その後もう一度全体をざっと読み返して、私個人の最終評価を決めた。
夜、高校の同窓会のクラス幹事のS君からクラス会の案内状がファクスで届く。私の住所が名簿上で更新されていないのに気づいて気を利かせてくれたのである。さっそくS君にお礼と欠席の連絡の電話をする。そのときの話の中で5年前にY君が亡くなったことを知った。Y君はクラスメートの中ではけっこう親しかったので驚いた。しかし話をしているうちに、いや、Y君の死のことはもしかしたら友人のO君を通じてずっと前に知らされていたかもしれない、そしてその事実を忘れていただけかもしれないという考えが頭をかすめて、そのことにまた驚いた。Y君が死んだということを信じられず、無意識の忘却(もの忘れというのではなく)が起こったのかもしれない。Y君は理科系、私は文科系という進路の違いはあったが、お互いスポーツが好きで、センチメンタルで、女の子の好みも似ていた(残念ながら彼の方が女の子にはモテた)。一度、校舎の屋上で彼が吹くトランペットを聴いた。青春学園ドラマ「でっかい青春」の主題歌だったと思う。はっきりいって下手クソだったが、哀愁は漂っていた。センチメンタルなわれわれにはそれで十分だった。志賀直哉が死んだ日、私が屋上でぼんやりしていると、Y君が「どうしたんだ?」と聞いて来たので、「志賀直哉が死んだんだ」と答えたら、「ふ~ん」と言って遠くを見る目をした。たぶんあまり関心のない話題だったのだと思うが、私に付き合ってしばらく黙って空を眺めていた。そういう奴だった。
ついさっき、ネットのニュースでポール・ニューマンが死んだことを知った。83歳だった。好きだった人間の死を同じ日に二人も知らされるというのはつらいものだ。
夜、高校の同窓会のクラス幹事のS君からクラス会の案内状がファクスで届く。私の住所が名簿上で更新されていないのに気づいて気を利かせてくれたのである。さっそくS君にお礼と欠席の連絡の電話をする。そのときの話の中で5年前にY君が亡くなったことを知った。Y君はクラスメートの中ではけっこう親しかったので驚いた。しかし話をしているうちに、いや、Y君の死のことはもしかしたら友人のO君を通じてずっと前に知らされていたかもしれない、そしてその事実を忘れていただけかもしれないという考えが頭をかすめて、そのことにまた驚いた。Y君が死んだということを信じられず、無意識の忘却(もの忘れというのではなく)が起こったのかもしれない。Y君は理科系、私は文科系という進路の違いはあったが、お互いスポーツが好きで、センチメンタルで、女の子の好みも似ていた(残念ながら彼の方が女の子にはモテた)。一度、校舎の屋上で彼が吹くトランペットを聴いた。青春学園ドラマ「でっかい青春」の主題歌だったと思う。はっきりいって下手クソだったが、哀愁は漂っていた。センチメンタルなわれわれにはそれで十分だった。志賀直哉が死んだ日、私が屋上でぼんやりしていると、Y君が「どうしたんだ?」と聞いて来たので、「志賀直哉が死んだんだ」と答えたら、「ふ~ん」と言って遠くを見る目をした。たぶんあまり関心のない話題だったのだと思うが、私に付き合ってしばらく黙って空を眺めていた。そういう奴だった。
ついさっき、ネットのニュースでポール・ニューマンが死んだことを知った。83歳だった。好きだった人間の死を同じ日に二人も知らされるというのはつらいものだ。