9時半、起床。朝食は抜き。今日は母の82歳の誕生日。昼前に母、妻、息子と食事に出る(娘は今日明日と芝居の公演)。食いだおれ横丁の釜飯屋「梅Q」へ行く。4種類の釜飯(筍、牛肉、鶏、海老)を注文し、シェアして食べる。一人のときは五目釜飯を注文するが、今日のように単独の具のものを4種類食べた方が断然美味しい。それぞれの釜飯には「特製」というメニューがあって、500円割高だが、具の質ではなく量が増える。普通のもので十分美味しいが、お店の人に聞いたら、蟹釜飯だけは「特製」を勧めますとのこと。覚えておこう。
東急プラザの靴屋に行って母に靴をプレゼントする。母は靴のデザインよりもまず値札を見て、履いてみるかどうするかを決める。「値札なんか気にしなくていいから」と言っても、「1万円くらいの靴で十分」と言ってきかない。倹しさが身についているのだ。店員さんの協力を得て(やっぱり勧め上手だ)、2万円くらいの靴に決める。母は、明日、外孫(私の甥)の就職祝いに呼ばれているので、さっそくそこに履いていくと言う。
池上に散歩の足を伸ばす。駅前の「浅野屋」に入って、葛餅と珈琲のセット(540円)を注文。葛餅が数切れと、ポットに入った珈琲が出てくる(そのポットに保温のための布製のカヴァーが掛っている)。珈琲は優に2杯は飲める。腰を据えての読書にはうってつけだが、いかんせん店の内外に順番を待つ客がいるので、そうそう長居はできない。
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本門寺の桜は見頃にはまだ早いが、境内に漂う「花見の前の静けさ」は悪くない。
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境内にある休憩所で梅昆布茶(和菓子付き)を注文し、ここはテーブルがたくさんあるので、気兼ねすることなく読書に耽る。川上弘美『東京日記2 ほかに踊りを知らない。』(平凡社)
「七月某日 雨
本を読んでいたら、「そのとき私は上機嫌で」という文章がある。
そういえば、いちばん最近自分が上機嫌だったのはいつだったろうかと、思い出してみる。
ぜんぜん、思い出せない。
一杯機嫌、とか、屠蘇機嫌、とか、ほろよい機嫌、などの、お酒が原因での上っ調子はあるが、堂々とした「上機嫌」は、ない。
なんとなく、肩身が狭い感じ。
七月某日 雨
ひとつ今日は上機嫌になってやろうと、いろいろやってみる。
まず、よそゆきの傘をさして、はねのあがりにくい靴もはいて、隣町まで歩く。デパートに入って、かねがねほしいと思っていた服を、思いきって二着買う。
つぎに、駅ビルの地下街へ行く。一度入ってみたいと思っていた食堂に入って、えびカレーの大盛りを頼む。残さず、たいらげる。
つぎに、廃ビルの中庭に無断で入りこんで、ぐるぐる歩きまわってみる。
最後に、川沿いの誰もいない岸辺に立ち、「青春のばかやろう」と叫んでみる。
やりたいと思っていたことを全部実行し、しばらくのあいだは上機嫌でいる。夜中の十一時くらいまでは、高揚した気分がつづく。
十一時三分すぎくらいに、突然、「でもあたしがつねづねやりたいと思ってた事って、こんなにちゃちいことばかりだったんだ?」と思いついてしまう。
しゅーっという音をたてて、上機嫌の袋から、空気がぬけてゆく。」(118-119頁)
「あとがき」を読むと、「あいかわらず、中の五分の四くらいは、うそみたいですがほんとうのことです」と書いてある。引用した「上機嫌」になるために彼女がとった5つの行動のうち、たぶん「青春のばかやろう」はうそであろう。あとの4つはほんとう。私には川上弘美という人がだいぶわかってきた。なんと魅力的な女性だろう。
池上駅前商店街の古本屋「大黒」で、草柳大蔵『実録満鉄調査部』上下(朝日新聞社)と中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社インターナショナル)を購入してから、池上線で帰る。
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夕食はハンバーグ、ゆでたキャベツとゆで卵のサラダ、茄子の味噌汁、ご飯。サッカーの日本対バーレーン戦を観ながら食べる。1-0で日本が勝つ。これで本選出場はほぼ決まりだろう。
東急プラザの靴屋に行って母に靴をプレゼントする。母は靴のデザインよりもまず値札を見て、履いてみるかどうするかを決める。「値札なんか気にしなくていいから」と言っても、「1万円くらいの靴で十分」と言ってきかない。倹しさが身についているのだ。店員さんの協力を得て(やっぱり勧め上手だ)、2万円くらいの靴に決める。母は、明日、外孫(私の甥)の就職祝いに呼ばれているので、さっそくそこに履いていくと言う。
池上に散歩の足を伸ばす。駅前の「浅野屋」に入って、葛餅と珈琲のセット(540円)を注文。葛餅が数切れと、ポットに入った珈琲が出てくる(そのポットに保温のための布製のカヴァーが掛っている)。珈琲は優に2杯は飲める。腰を据えての読書にはうってつけだが、いかんせん店の内外に順番を待つ客がいるので、そうそう長居はできない。
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本門寺の桜は見頃にはまだ早いが、境内に漂う「花見の前の静けさ」は悪くない。
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境内にある休憩所で梅昆布茶(和菓子付き)を注文し、ここはテーブルがたくさんあるので、気兼ねすることなく読書に耽る。川上弘美『東京日記2 ほかに踊りを知らない。』(平凡社)
「七月某日 雨
本を読んでいたら、「そのとき私は上機嫌で」という文章がある。
そういえば、いちばん最近自分が上機嫌だったのはいつだったろうかと、思い出してみる。
ぜんぜん、思い出せない。
一杯機嫌、とか、屠蘇機嫌、とか、ほろよい機嫌、などの、お酒が原因での上っ調子はあるが、堂々とした「上機嫌」は、ない。
なんとなく、肩身が狭い感じ。
七月某日 雨
ひとつ今日は上機嫌になってやろうと、いろいろやってみる。
まず、よそゆきの傘をさして、はねのあがりにくい靴もはいて、隣町まで歩く。デパートに入って、かねがねほしいと思っていた服を、思いきって二着買う。
つぎに、駅ビルの地下街へ行く。一度入ってみたいと思っていた食堂に入って、えびカレーの大盛りを頼む。残さず、たいらげる。
つぎに、廃ビルの中庭に無断で入りこんで、ぐるぐる歩きまわってみる。
最後に、川沿いの誰もいない岸辺に立ち、「青春のばかやろう」と叫んでみる。
やりたいと思っていたことを全部実行し、しばらくのあいだは上機嫌でいる。夜中の十一時くらいまでは、高揚した気分がつづく。
十一時三分すぎくらいに、突然、「でもあたしがつねづねやりたいと思ってた事って、こんなにちゃちいことばかりだったんだ?」と思いついてしまう。
しゅーっという音をたてて、上機嫌の袋から、空気がぬけてゆく。」(118-119頁)
「あとがき」を読むと、「あいかわらず、中の五分の四くらいは、うそみたいですがほんとうのことです」と書いてある。引用した「上機嫌」になるために彼女がとった5つの行動のうち、たぶん「青春のばかやろう」はうそであろう。あとの4つはほんとう。私には川上弘美という人がだいぶわかってきた。なんと魅力的な女性だろう。
池上駅前商店街の古本屋「大黒」で、草柳大蔵『実録満鉄調査部』上下(朝日新聞社)と中谷巌『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社インターナショナル)を購入してから、池上線で帰る。
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夕食はハンバーグ、ゆでたキャベツとゆで卵のサラダ、茄子の味噌汁、ご飯。サッカーの日本対バーレーン戦を観ながら食べる。1-0で日本が勝つ。これで本選出場はほぼ決まりだろう。