8時半、起床。
今日から7月だ。すでに梅雨は明けたが、夏休みにはまだ遠い。
サラダ(+炒り卵)と牛乳と紅茶の朝食。
吉本ばなな『人生の旅をゆく』3の中に「山のすがた」というエッセイがある。
「東京に暮らしていると、建物のあいだから山が見ることがほとんどないように思う。/昔はもう少しよく山を観たと思うのは、やらたに高いところに登るのが好きな子どもだったせいだろうか。子どものほうがひまな時間をたくさん持っていたからだろうか。(中略)今でもたまに高いところに登るとうっすらと富士山や秩父連山が見えたりして嬉しくなつことがあるけれども、空気が悪いせいかぼんやりと遠くにかすんでいる。関東は平野だからめりはりが少なく、味気ない眺めがだらっと広がる風景が多いのかもしれない。/これが東京に住んでいることの閉塞感のいちばんの理由かなあと思う。」(108-109頁)
私は年に何度も信州を小旅行する。その理由をよく人に聞かれ、その都度、もっともらしいことを答えているが、ひとつ忘れていたことがある。街を散歩していて、山が見えることである。あれはいいものである。
この夏も松本に行く。
花屋に神棚用のお榊を買いに行く。短パンにTシャツ、そして帽子を被って行く。アスファルトの自分の影がくっきりと濃い。
真昼の子ども公園に人影はない。
お榊と仏花も買う。真夏は仏花も一週間とは持たない。
昼食は蕎麦を茹でると妻が言っていた。「近江屋精肉店」で何かフライ物を買って行こう。
アジフライを買っていく。
昼食はもり蕎麦とアジフライ。
3時を回った頃、「カフェ・スリック」に行ってみる。出掛けに電話を入れて空席状況を尋ねる。「テーブルは埋まっていて、カウンターなら空いていますが」とのことだった。「ひとりなのでカウンターで構いません」と答えると、「あら、お珍しい」とマダムが言った。
店に着くと、ほどなくして先客が席を立ち、カウンターからテーブル席に移る、
ロイヤルミルクティーを注文。セパレートティーは混ぜずに分離させたまま境界面のあたりをストローで飲むのが美味しい(かつ美しい)と私は思う。
7月のシフォンケーキのラインナップはこちら。
ケースには全部がそろっている。
桃とカルピスを注文。
去年の夏はこれが大人気で私が行くような時間には売り切れていることが多かった。今年は早々に食べることができてラッキーである。
4時を回って、他のお客さんはいなくなったので、マダムとおしゃべり。彼女は先日のワールド杯の対ポーランド戦での日本の終盤の戦い方に批判的な意見を述べ、私は西野采配を擁護する意見を述べた。「正々堂々」という精神論(スポーツマンシップ)と決勝トーナメント進出を賭けた「生存戦略」論である。私が思うに、現行のシステム(勝ち点方式)では予選リーグの3試合というのは3つで1つの試合と考えるべきものなのである。もしそれがスポーツマンシップに反する行為を誘発しやすいということであれば、予選リーグを廃して最初からトーナメント形式(勝つか負けるかの一発勝負の連続)にすればよろしい。でも、せっかく本戦に出場したのだから、自分の国のチームの試合を少なくとも3試合は見られる予選リーグ形式は捨てがたいのではなかろうか。
「カフェ・スリック」を出て、「phono kafe」にも顔を出す・・・つもりであったが、店の前まで行くと、常連のトモミさんが外に立っている。「どうしたんですか?」と聞いたら「満席なんです」とのこと。あらま。せっかくの週に一度のカフェタイムなのに。
それではということで、「カフェ・スリック」に「いまからもう一度うかがいます」と電話をして、トモミさんをお連れする。
アイスティー(アールグレイ系)を注文。彼女はプラス桃とカルピスのシフォンケーキを注文。
日曜日の「カフェ・スリック」の営業時間は5時までだが、少し大目に見ていただく。ありがとうございます。
マダムも交えて3人でおしゃべり。話題は「女性の経済的自立」について。平たく言えば、自分で稼いだお金を自分のために使う時間が結婚している女性には不足しているという話。はい、まったくその通りですね。
閉店の5時を20分ほどオーバーして店を出る。旦那さんのご両親がお孫さんの顔を見に、5時半頃にやって来られるそうなのである。急がなきゃ(笑)。彼女は中学の先生をしている。夏休みになったらいくらかは時間的なゆとりがふえるのでしょ。そのときはゆっくりカフェをご一緒してください。
帰宅してしばらくした頃、卒業生のカホさんとヨウさん(ともに論系ゼミ4期生)から同時にラインに写真が送られてきた。2人はいま香川県の直島に来ているそうである。ここにはホテル併設の美術館があって、とても人気があるそうである。「社会人になったら頑張って働いてここに2人で来ようね」と約束していたのだ。ついに念願が叶ったというわけだ。
就職して、結婚しても、こうして親友との時間が持てるというのはいいですね。
夕食は夏野菜をたっぷり使ったカレーライス、サラダ、牛乳。
デザートはスイカ。
娘から次回の公演のチラシの写真が送られてきた。
劇団「獣の仕業」公演 「象」(作:別役実、脚色・演出:立夏)
2018年9月7日(金)~9日(日)
レンタルスペース+カフェ「兎亭」(江古田)
ウォーキング&ジョギングをして、風呂を浴びてから、サッカーW杯スペイン対ロシア戦を観る。2-2からのペナルティーキック戦でロシアが勝った。強豪国がまた一つ消えた。予選リーグは酷暑だが、決勝トーナメントは夏が過ぎ去っていくような淋しさを覚える。
2時半、就寝。