8時半、起床。
「今日は残りの人生の最初の一日」という言葉がある。ポジティブシンキングな言葉だが、映画『アメリカンビューティー』(1999)は主人公の中年男性のそういう台詞で始まる。しかし、同時に、その日は彼にとって人生最後の一日になるのである。「今日は残りの人生の最初の一日」はすべての人に当てはまる言葉だが、「今日は人生最後の一日」というのは一部の人だけにあてはまる言葉で、しかもそのことに気づいている人はほどんどいないだろう。安倍元首相も今日がそういう日になるなんて微塵も考えていなかったはずだ。(このブログは昨日のことを翌日の午前中に書いているのだが、普段はそういう視点は表には出さない)
トースト(はちみつ&オリーブオイル)、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
本日の『ちむどんどん』。アイデアの断片を小さな紙にたくさん書いて、それを大きなテーブルの上に並べて、配列(思考=執筆の順序)を考える―愛の記事を書くために4人が居酒屋「あまゆ」でやっている作業はKJ法と呼ばれるやり方である。KJは発案者の川喜多二郎(文化人類学者)のイニシャルである。私もよく使います。作業を終えた4人が夏の海辺で遊ぶ。愛が暢子に見せつけるように和彦にキスをする。そして「お返し」といってニッコリする。爽やかで、怖い。
昨日のブログを書いてアップする。
11時半近くになって家を出る。「まやんち」の入口でTさん(匿名希望、写真はNG)と待ち合わせる。
今年もピーチメルバのシーズンが始まった。お茶は東方美人。
一年ぶりのピーチメルバである。また会えたね。今シーズンはいくつ食べられるだろう。
食べ終えて、席を立とうとしたとき、隣のテーブルのご婦人(ご夫婦でいらしていた)から「大久保先生でいらっしゃいますか?」と声をかけれられる。私のブログの読者で(ご主人も)、これまでに何度か「まやんち」で私を見かけているそうである。少しおしゃべりをする(「まやんち」はこれまで「しゃべっちゃいけないティールーム」だったが、今日から「マスクをして小声で話すティールーム」になったのである)。
「ランチは軽めで」というTさんの希望で、「パン、えすぷれっそと」に行く。
オシャレなカフェだが、空いているのは駅から少し離れた病院併設というロケーションのためだろうか。街中にあったらもっと人気のカフェになるだろう。
チリドックとアールグレーチョコロールとアメリカンコーヒーを注文。
レモネードを追加注文。化粧室から戻って来たTさんが「安倍元首相が奈良での選挙の応援演説中に狙撃されて心肺停止だそうです!」と教えてくれた。何ということだろう。
3時に蒲田を出て、大学へ。5限に3年ゼミ、6限に4年ゼミ。
テキストの講読を始める前に、事件のことを話題にする。「いまの日本でこんなことが起こるなんて、びっくりした」というのが共通した感想である。そうであろう。私にしても、6歳のとき(1960年)に社会党の浅沼委員長が演壇で刺殺された事件や、9歳のとき(1963年)にケネディ大統領が暗殺された事件は記憶に残っているが、60年後の日本でこんなことが起こったことにびっくりした。「いまの日本はこんなことが起こる国」になってしまったのだということに愕然とした。
ゼミの途中で、安倍元首相の死亡の発表があった。
明後日は投票日である。「投票しても何も変わらない」という気持ちはわからないでもない。そういう雰囲気の中で、非合法なやり方で世の中を変えてやろうとする欲望が生まれるのかもしれない。しかし、われわれはそうした欲望に負けてはならない。あくまでも投票という合法的なやり方で(合法的なやり方はほかにもある)世の中を変えていくのだという意志を持ち続けなくてはならない。
8時過ぎに大学を出る。夕食は「ごんべえ」で。
今日は定番のカツ丼セットではなく、ごんもりセットを注文する。肉野菜炒めの入った汁にうどんをくぐらせて食べる。かやくご飯が付いてくる。
10時、帰宅。
今日の日記を付けてから、風呂に入る。
1時半、就寝。