フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月10日(日) 晴れ

2022-07-11 13:05:27 | Weblog

8時、起床。

トースト(はちみつ&オリーブオイル)、目玉焼き、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

食事をしながら『古カフェ系ハルさんの休日』(6月22日放送分)を観る。岩手県花巻市の宮沢賢治所縁の「茶寮かだん(旧橋本家)」。

10時に塗装会社の営業の方2名来訪。自宅の外壁の塗り替え工事についての説明を聞く。一年前に屋根の張り替え工事をしたばかりだが、そのときは外壁の方はまだいいでしょうということで見送ったのだが、この一年の間に劣化が進んでしまった。やらざるをえないかな。

妻と投票に出かける。母校相生小学校。

帰宅して12時から句会(オンライン)。ライブでの参加者は8名で、紀本直美さん、恵美子さん、月白さん、渺さん、まゆこさん、私(たかじ)、立夏さん(選句のみ)、さやかさん(選句のみ)。LINE等での期日前参加は4名で、蚕豆さん、犬茶房さん、花さん、港さん(選句のみ)。今回は記念すべき50回目の「いろは句会」である。ただし、もしかすると、49回目かもしれないし、51回目かもしれない(笑)。

投句された作品は27句(9名×3句)。今回の兼題は「車(の種別・名前)」。

選句は各自5句。天(5点)1句、地(3点)2句、人(1点)2句。

 

私は次の5句を選んだ。

 天 細筍が五十円なり雨の駅

 地 葉脈を旅する影よ天道虫

 地 父の日にナショナル製のレンジ捨つ

 人 アイスティー真白き壁の美術館

 人 納豆の日と言うな私の誕生日

集計結果を見ながら、選評が述べられた後に、作者が明らかにされる。

22点 葉脈を旅する影よ天道虫(てんとむし) 月白

 今回の特選は月白さん。渺さんと港さんが天を付けた。葉っぱの上のてんとう虫という構図(緑の中の赤)自体はよく目にするものだが、葉脈を山脈(水脈かな)に見立てて「旅する影よ」と詠んだところに詩が生まれた。最初、作者は最後を「赤(朱)」という文字で終わらせることを考えたようだが、そうしなくてよかったと思う。わざわざそうしなくても色のコントラストは読み手が十分に受け取ってくれるはずである。

18点 父の日にナショナル製のレンジ捨つ 犬茶房

 立夏さんが天を付けた。現在の「パナソニック」は以前は「ナショナル」という名前だった。長きに渡って日本の家電業界を牽引してきた松下電機の国内向けブランド名であった。「母の日」ではなく「父の日」に(おそらく父の給料で買ったであろう)古くなった電子レンジを廃棄するという皮肉で哀愁の漂う句である。

16点 店仕舞い語る店主の心太(ところてん) たかじ

 私の句。紀本さん、蚕豆さん、まゆこさんから天をいただいた。店にも寿命というものがある。何かの事情による突然の閉店ではなく、店主が年をとったことによる閉店は、人間で言えば、天寿をまっとうしたようなものである。馴染みの客からすれば淋しいことだが、店主には「やり切った」という満足感がある。「心太」という文字がそれを感じさせる。長い間ありがとうございました。

15点 細筍が五十円なり雨の駅 犬茶房

 まゆこさんと私が天を付けた。「細筍(ほそたけ)」「五十円」というリアリティを感じさせるディテールと「雨の駅」という詩情が上手くマッチした句。

12点 納豆の日と言うな私の誕生日 花

 犬茶房さんが天を付けた。今日、7月10日は「納豆の日」である。それを狙った投句なのか、花さん自身の誕生日が7月10日なのか、ライブ参加されていないので確認することはできなかったが、納豆がお嫌いなことは間違いないだろう。花さんは京都の方である。

11点 炎天の黙する街を清掃車 たかじ

 私の句。今回の兼題句(車)である。誰もが家の外に出ようとしない猛暑の日。人影のない住宅街の中を一台の清掃車がゆっくりと進んでいく。数人の作業員を引き連れて。それはルオーの宗教画に描かれた聖なる一団のように見えなくもなかった。


ルオー「郊外のキリスト」

10点 虹立つや長靴で踏む雲の影 まゆこ

 月白さんと花さんが天を付けた。スタジオ・ジブリの作品の一場面のような句である。作者がまゆこさんと知って、「やっぱり」とみんなが言った。

10点 せんきょっていったことないかき氷 紀本直美

 今日は参議院議員選挙の投票日である。私はこれまでの人生で投票に行かなかったことは一度もないが、「せんきょっていったことない」と無邪気に平然と言う大学生もいるようである。たぶん「選挙」という漢字も書けないのではないかしら。

9点 ショベルカー瓦礫粉塵炎天下 恵美子

 今回の兼題「車」は恵美子さんの出題である。ショベルカーは息子さんの好みだろう。一方、漢字だけの中句下句は書道家である恵美子さんの好みだろう。いわば母子合作である。

7点 雷声やアルファロメオの腹に疵 月白

 兼題句。いくつかの解釈が可能な句である。①雷が車体に落ちて疵を付けた。②近所の家の前に停めてある車のボディの疵が雷の光でクローズアップされた(それを通りがかりの作者が見ている)。③何者かに付けられた愛車の疵を目にして、車の持ち主が激怒(雷のごとく)した。月白さんの意図は②だが、一番面白いのは③であろう。「ガーン!」

6点 氷旗砂漠の民となりにけり 恵美子

  猛暑日の「氷」の旗をオアシスに見立てた句。発想としては平凡だが、「砂漠の民」という言葉がポイント。

時間の関係で以下は感想を省略させていただくが、自分の句と自分が選んだ句についてはちょっとコメントしておく。

3点 スクランブルクラゲの群れの街宣車

3点 夏・ホンダ図書を届けるボランティア 蚕豆

3点 蛍の灯蛍袋にくちづける 蚕豆

2点 みずうみに恋人は眠る夏が来る 蚕豆

2点 アイスティー真白き壁の美術館 恵美子

 私が人を付けた。ポスターのような作品だが、清涼感に一票。私がこの句から連想したのは横須賀市立美術館(目の前に浦賀の海が広がる)だが、作者が行かれたのは佐倉市のDIC川村美術館。「おすすめです」とのこと。


(美術館のホームページから借用)

2点 黒揚羽洋館は廃れるままに 月白

1点 借り物のプリウスでゆく葉山の邸 犬茶房

1点 梅雨闇を進むは牛車か物の怪か 渺

1点 炎中の担架重しや救急車 まゆこ

1点 あなうれし今年は山車の建つ京都 花

1点 飛び出して跳ねる路上の熱帯魚 たかじ

 私の句。港さんから人をいただいた。最初、兼題句にしようと考えて「トラック横転路上の熱帯魚」としたが、「清掃車」の句を兼題句として投句することにしたので、「トラック横転」の部分を「飛び出して跳ねる」と変えた。「トラック横転」の方がインパクトがあるが、味わいがあるかといえば、ないであろう。

次回は9月4日(日)。兼題は「夜長」。

みなさん夏を元気にお過ごしください。

 

句会を終え、妻が買ってきた崎陽軒のシウマイ弁当を食べる。

昨日のブログを書いてアップする。

散歩に出る。

暑い一日だったが、夕方になっていくらから風が出て来た。

「スリック」に顔を出す。

熟成南高梅が最後の一人分だというので「ラッキー!」と注文する。

閉店(6時)15分前に店を出る。

ふだんは閉店までいる「スリック」を15分前に出たのは、6時に塗装会社の二人が見積書を作って説明に来るからである。約2時間半(!)あれこれ説明を聞いて、外壁の塗装をお願いすることにした。

近所の鯛ラーメンの店「狐狸丸」へ妻と夕食を食べに行く。

私は淡麗塩ラーメン(味玉付き)。

妻はつけ麺。

いつもであれば日曜日の夕食は『鎌倉殿の13人』を見ながら食べるのであるが、明日録画で観よう。

『山下達郎のサンデー・ソングブック』をタイムフリーで聴きながら、今日のブログの下書き(句会があった日のブログは長くなるので)。

風呂から出て、レビューシートのチェック。

「お疲れ様でした」

今日の日記を付けて、2時、就寝。

*この時点では村田きょうこさん(立憲民主党比例区)の当落はまだわからなかったが、未明に「当選」が確定する。おめでとうございます!