画像は78年発売のテクニクスSB-E100。当時、日本中に吹き荒れた熱狂的なオーディオブーム末期の意欲作。独特の造形で、一度見たら記憶にのこる迫力あるデザインが特徴です。アコガレ続けた挙句に、キヨミズジャンプで買って、大切に育ててきた一台。いかにも鳴りそうなフンイキでしょうw?
ほんとうはJBLのスタジヲモニター4350あたりを50畳のリスニングルーム(ただの大広間)で、というのが理想だったのですが、禁断の領域。手を出してはならない、と理解しておりました。
今でも変わってない、デザインからはいっちゃう悪い癖がここにも〜(爆)。ここ20年ほどはチラとも鳴らしていないのにも関わらず、どうしても捨てられずに手元に残してきた相棒っす。
70年代のオーディオブームはそれはそれは濃くて、そもそもの発端はBCLと呼ばれた、遠隔地の短波局のラジオ放送を高性能レシーバーと呼ばれた(爆)ラジオで聴いて、証明書をもらう、というどこかグローバルな試み、というか販促キャンペーン。それがものすごい大当たりをかまして、深夜ラジオブーム到来というわけです。
当時はトランジスタラジオが2000円近辺だったのに対して、3バンド搭載のこれら最新型は10000円強が主要価格帯。ものすごい高性能ラジオが出現した、といって大騒ぎだったわけ。
画像は、ナショナルの2000GXワールドボーイ。パナソニック誕生前夜のナショナルブランドっすよ!なんかものすごいネーミングですけれど、どこかクルマっぽいでしょう?深夜ラジオには暗闇がデフォルト。その環境で正確な周波数合わせを行うためにダイアル部分を透過照明としたのも実は当時としては画期的な技術。
少年ジャンプとチャンピョンに広告を打ったのを見て、こりゃ買わないと一人前になれない、というわけでお小遣いで買いに走った、というね(爆)。ライト照明単体でスイッチが設けられているだけでシビれちゃったわけです。まったく良い時代でした。
こういう男子ウケするデバイスが各社から毎月のようにリリースされていたのがこの頃。みんな親に頼み込んで買ってもらってましたっけ。
こいつが大体73〜4年にかけて大ブレークして、クラスの男子は全員寝不足。オールナイトニッポンを明け方まで聴いて、リクエストまでしちゃってたのもつい昨日のことのようです。ラジカセブームもこの辺りからでしたっけ。
この分野はのちにクリアな音質を誇るFM放送を録音して楽しむエアチェックと呼ばれた高尚なものに発展いたします。アンテナぶっ立ててFM東京を聞いてる、だなんてえのは町内に一桁しかいない時代です。凝ってる人は38cm2トラックのオープンリール型デッキ(モンゼツ)に録音して、音質自慢を誇っておられますた。
オーディオ好きなマスターのいる喫茶店に行くと、カウンターの後ろのバックバーにドカーンと鎮座していました〜(とほひめ)。数年後にユーミンが、♪夜のFMからニュースを流しながら〜、などと唄ってしまった関係でブームには拍車がかかりますた(爆)。
カセットに移行してからも、音質重視の高級路線がしっかりあって、お金のかけ甲斐がありました(鴨)。メタルテープとか、クロームとか、共振を抑えるとかいって実際にケースに金属使ってるのまであったし(車のデッキに入れるとイジェクト不能に陥りますた)。エルカセットなどという短命なモデルもありましたっけ。
ダビングなどという言葉も生まれたし、それ専用のツインデッキ搭載モデルもごく普通にあった。いやはや。
高級志向のオーディオ機器への関心が高まったのは宜なるかな、日本らしく使いやしない高出力に走り、25w+25wあたりから始まって、200w+200wの大出力アンプに口径30cmのウーファー装備の大型SPだなどというのが流行って、そりゃもうタイヘン。
家電各メーカーはオーディオ向け専門ブランドを立ち上げて、高級感を競っていました。レコードプレーヤーではなく、ターンテーブルなんだかんね、カートリッジはシュアーV15なんだかんね、といって日夜、大騒ぎでございますよ。
買うなら秋葉原しかねえ、というわけで、月に一度は信越線に乗って、電車に揺られること3時間(!)かけて花のお江戸へ上京。店員さんに値段とモデル名を書いてもらった名刺を頂戴して、そいつを持って他店へ、という「相見積もり」なども教えられた通りに行って、憧れの機種を抱え、帰りの信越線に乗り込む時の
充足感といったらあーた(爆)。
木造モルタル造りの4畳半にこもって、リスニングルームである、だなどと深夜までやっているものですから、ご近所中から苦情を頂戴して、これまたターイヘン(爆)。使っても10wかそこらだったくせにねえ〜(爆)。
このリスニングルームが狭ければ狭いほど、高出力デバイスへのアコガレが強かったのもどこかニッポン的で可笑しい。クルマに似てますよね〜。まずカタログスペックから入るのも同じか。
そういえば当時の若者は全員クルマ好き。ラジオのデザインなどは、どこかクルマのコクピット(完全死語)を想起させるものだった気がいたします。
私はといえば、当時自宅に50畳の大宴会場がありましたので(のけぞる)、音量方面での心配は皆無(爆)。よく同級生が集っては日夜リスニング大会を繰り広げておりました。ポールマッカートニーがウイングスを結成した頃の話でございます。
この頃はまだレコードが全盛期で、LPのお値段が1800円から2000円でございました。当時からホテルでのアルバイトに明け暮れて、ものすごい額のお小遣いを持った中学生でしたから(爆)ヘーキで買ってましたけれどね。で、それを友達に回して感謝されちゃう。
今にまで続いている、私の豊富な人脈は、思えばこの頃のレコードの貸し借りで築かれたもののような気もいたします(せまい人脈ですこと〜)。
このSB100も、2000年ごろまではBGM用に使っておりましたけれど、音源とメディアの変化につれて、登場回数が減ってしまい、音源がCDからインターネットに移行した時点でお蔵入り。
Bluetoothにも対応できるアナログスピーカーなんて市場にはまだ存在しておりませんでしたから、大枚叩いたオーディオが使えなくなると思うと、たいそうクヤしかったですよ〜、当時。
デバイスがあっても事務機器っぽさ全開のBOSEのアレでしたから、このような家具調のオーディオ、とかスタジオモニターといえるような仕様のものは皆無。本当に物足りない、というかま、一種のアキラメですわねえ。
レコードを捨ててCDに移行するときには若干のテーコーがあったのですが、こちらは音質が飛躍的に上がったので、満足度が高かった。で、その後にまさかの各メーカーのレコード針の生産中止。さらにその後の様々なメディアの移行の荒波に揉まれながら漂流(爆)。MDとかどこいっちゃったんでしょうねえ〜?
現れては消えてゆくメディアの青野菜並みの寿命に愛想をつかしながらも、日々の生活に音楽だけは欠かさなかったわけで、不満ながらも聴いておりました。ブックオフ詣でで、絶版CDを発掘する楽しみもこの頃か。
音源そのものも、圧縮、という方向性を歩んでしまったので、もう音質云々を言う意味も薄れていました。大型高級スピーカーの出番、さらになし。
デバイスもその都度買い替えを余儀なくされたものですが、これらの買い替えに素直に従ったあたりは本当に良いお客さんですぜ。ハイレゾは買わねえけどな(爆)。
あと、なんといっても音楽を大切に聴いた!ここ大事。
現代のタレ流しのBGM的に使われる楽曲では、曲が終わった瞬間に忘れてますけれど、この当時の楽曲はまさに宝物。いまでもコピーされたり、リバイバルされるのもごく当たり前ですね。
ウインドウズ98のPCにJBLのスピーカーが付属してきたのにもたまげましたけれど、マックに乗り換えてからはここ数年、ディスクにすら触ってないのに気がついて、ガクゼンw。そもそも音楽を大事に扱っていないので、聴く気持ちすら起きない、そこまでテンションは落ちておりました。
ここへきて、いよいよ朽ちてゆくだけのスピーカーをどうするか、このままだと床が抜けるし〜、というわけで起死回生を図ったのが今回のお買い物です。
いくつか選択肢がありましたけれど、その中でも
まず、接続スピーカーを探して
つなげて
聴くだけだ、というデバイスが発売されておりました。イギリス企画で、中華製(イマドキですのう)。果たして、買って良いものやらまったくの手探りでしたので、自作でスピーカーを普通に作っちゃう、というオーディオマニヤなZ氏(久々に登場でございます)に連絡を取ってアドバイスをお願いしたところ、選択としてはアリ
だと思う、とのことでしたので、1台買ってみますた。
画像のような小箱をSPの端子に直接つなげるだけなのですが、4Wのアンプ内蔵にBluetooth装備で、ミゴトに現在の音源に対応できちゃう。
うちには様々なご縁で、方々から引き取った多種多様なアナログスピーカーがあるのですが(爆)、ことごとくつなげては、生存確認を行う毎日(爆)。
JBLのスタジオモニターなどもあるのですが、スピーカーのウレタンエッジの部分がご臨終で、多額の費用がかかりそうなことから、修理見送りとなりました(涙)。
画像のテクニクスやVictorなどの日本製SPは約20年も放っておいたのにも関わらず、ことごとく生きており、そのまま使えるのには驚愕です。
そもそもが圧縮音源のBluetoothさまですから、音質云々してもはじまらねーわ、といってバカにしていたのですが、大型のSPで聴くと、やはりヨイ!あくまでもそれなりに、という但し書きつきですけれど、大枚はたいて買ったSPが復活したというのはニュースっす。
スピーカーは家具と同様、大きくて置き場に困るものですけれど、困りながらも手元に置いておいてよかった、と思ったひとときですた。
商品名The VAMP。お値段は14000円前後と、決して安くはないのですが、このデザイン性と、パフォーマンスからいって、ギリギリ買いか、という判断です。
ただし、起動できるのはSP一台のみ。2台買ったからといって、ステレオ再生とわならず、あくまでもBluetoothを介した「音源の再生」に過ぎない。味わいだとか、音質だとか、そいうのをアナログスピーカーを使って云々するのには時代がもう遅いのです。そのあたりSPは2台並べてナンボだった世代には慣れが必要か、と思いま
す。ハイレゾ、という選択肢も与えられてはいますけれど、メディアの主流からは遠く外れている気がする昨今。良い音、というのに特化すればアリなのでしょうけれど、ネットの音源なんて聞き流しで結構(爆)。
でも、しまいこんでいたお気に入りのSPたちが低めに鳴りだすのを眺めながら好みの音楽を聴けるのは無上のヨロコビです。
人間のヨクボーの常で、この先bluetooth 自体も音質云々できるフェイズに進化してゆくことでしょうけれど、アナログのSPをこうして楽しめるのは多分今だけ。せいぜい過渡期のタノシミを噛み締めておくことにいたしましょう。
調べると、ロンドンで買えば半額程度な模様。ううむロンドン土産みーつけたっ、と(一部意味明瞭)。
テクニクスのオーディオうちも未だ実家で現役だったりします。中学生のとき買ってもらったBCLラジオ 松下のRFB300当時4万円弱ほどでした。15年前に1回、OHだしてまだ感度良好です。
去年から30年もののCDプレーヤー、ボーズ901のイコライザ、エソテリックのD/Aコンバータなど立て続けに修理に出して(とはいってもコンデンサー交換くらい)ジャズを中心に聴きまくっています。同居人のおさがりのMacを音楽専用にしたのがきっかけでした。