ミシッシッピーの州都ジャクソンを活動の中心にしていたので、「ジャクソン・ブルース」といわれるブルースマン達を取り上げよう。トミー・ジョンソン、イシュマン・ブレイシー、チャーリー・マッコイ、ルービン・レイシー、といった人達がそれにあたる。今回は、トミー・ジョンソン(Tommy Johnson,c1896Terry,Miss~1956,Crystal Spring,Miss)を取り上げる。
トミー・ジョンソンのレコードも以前は探しても手に入らなかった。P-VINEのCDが出るまでは、わずかに下のようなオムニバスLPでその存在を垣間見る程度だった。
![Ojl2 Ojl2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/51/43b8a3d41750bd369e529502fb806aa3.jpg)
Origin Jazz LibraryのLP、OJL-2。トミー・ジョンソンは[Maggie Campbell Blues]を、イシュマン・ブレイシーは[Woman Woman Blues]を収録。他に、ウィリアム・ムーア、サン・ハウス、パパ・ハービー・ハル、スキップ・ジェイムス、サム・コリンズ、ジョージ・バレット・ウィリアムス、ヘンリー・シムズ、バスター・ジョンソン、ヘンリー・トーマス、なども収録。このシリーズは、歌詞カードが付いているので助かる。
![Tommyjohnson Tommyjohnson](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/5d/7861a0549e0854e8265570026a20953c.jpg)
P-VINEのCD、2260。1928~'29年に残した録音17曲を収録している。現在では、新たに見つかった1曲を加えた18曲入りのCDが出ているようだ。
1928年メンフィスでのヴィクターへの録音では、チャーリー・マッコイ(Charlie McCoy,1909Jackson,Miss~1959Chicago,ill)がギター(注ーマンドリンのように聞こえるような曲もある)で好サポートしている。チャーリー・マッコイは、メンフィス・ミニーのところで紹介したジョー・マッコイの弟で、ミシッシッピーではトミー・ジョンソンやイシュマン・ブレイシー、ミシッシッピーシークスなどとジューク・ジョイントなどで演奏し、後にはシカゴに出て多くのセッションに加わっている。単独でも、録音を残しているが手元にあるのはP-VINEの『The Story Of Pre-War Blues』に入っている[Last Time Blues]だけだ。
トミー・ジョンソンのギタースタイルは、デルタの影響も強く感じられる。実際に、チャーリ・パットンらと交流があったとも言われたいる。が、リズムの取り方は特有なものがある。それは、1929年のグラフトンで録音された[Ridin' Horse]を聞くと良く分かる。この曲は、ウィリー・ブラウンの[Future Blues]と同じスタイルの曲だが、リズムの流れを滑らかにしてソフトな感じの曲になっている。つまりはデルタの溜めの効かせ方を少し緩めてエイト・ビートの要素を取りこんだ様な感じで、当時としてはモダンな感じを人々に与えたと思われる。また、そのビート感覚により、後のロック・ミュージックに与えた影響は大きく、有名なロックグループの「キャンド・ヒート」は、トミー・ジョンソンの[Canned Heat Blues]からその名前を取っている。[Canned Heat ]とは、「缶に詰められた熱さ」で、つまりは酒のことだ。トミー・ジョンソンはそのブルースを地でゆく大酒飲みだったらしく、アルコールから来る障害を抱えていたとも言われている。ジャクソンのジューク・ジョイントやパーティーなどでは1950年代頃まで演奏は続けていたらしい。が、もうすこし新たなブルースを作って録音し、我々にも聞かせてほしかった。
Alcohol,alcohol,cryin' sure,Lord,killin' me
・・・・・・
Alcohol don't kill me Lord, I'll never die [Alcohol And Jake Blues]
オレは、酒に殺されそうだよ、カミサマ・・・
酒さえなけりゃ、ずっと長く生きられそうなのによ・・・
(「密造酒のブルース」1929年12月ウィスコンシン州グラフトンにて録音)
トミー・ジョンソンのレコードも以前は探しても手に入らなかった。P-VINEのCDが出るまでは、わずかに下のようなオムニバスLPでその存在を垣間見る程度だった。
![Ojl2 Ojl2](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/51/43b8a3d41750bd369e529502fb806aa3.jpg)
Origin Jazz LibraryのLP、OJL-2。トミー・ジョンソンは[Maggie Campbell Blues]を、イシュマン・ブレイシーは[Woman Woman Blues]を収録。他に、ウィリアム・ムーア、サン・ハウス、パパ・ハービー・ハル、スキップ・ジェイムス、サム・コリンズ、ジョージ・バレット・ウィリアムス、ヘンリー・シムズ、バスター・ジョンソン、ヘンリー・トーマス、なども収録。このシリーズは、歌詞カードが付いているので助かる。
![Tommyjohnson Tommyjohnson](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/5d/7861a0549e0854e8265570026a20953c.jpg)
P-VINEのCD、2260。1928~'29年に残した録音17曲を収録している。現在では、新たに見つかった1曲を加えた18曲入りのCDが出ているようだ。
1928年メンフィスでのヴィクターへの録音では、チャーリー・マッコイ(Charlie McCoy,1909Jackson,Miss~1959Chicago,ill)がギター(注ーマンドリンのように聞こえるような曲もある)で好サポートしている。チャーリー・マッコイは、メンフィス・ミニーのところで紹介したジョー・マッコイの弟で、ミシッシッピーではトミー・ジョンソンやイシュマン・ブレイシー、ミシッシッピーシークスなどとジューク・ジョイントなどで演奏し、後にはシカゴに出て多くのセッションに加わっている。単独でも、録音を残しているが手元にあるのはP-VINEの『The Story Of Pre-War Blues』に入っている[Last Time Blues]だけだ。
トミー・ジョンソンのギタースタイルは、デルタの影響も強く感じられる。実際に、チャーリ・パットンらと交流があったとも言われたいる。が、リズムの取り方は特有なものがある。それは、1929年のグラフトンで録音された[Ridin' Horse]を聞くと良く分かる。この曲は、ウィリー・ブラウンの[Future Blues]と同じスタイルの曲だが、リズムの流れを滑らかにしてソフトな感じの曲になっている。つまりはデルタの溜めの効かせ方を少し緩めてエイト・ビートの要素を取りこんだ様な感じで、当時としてはモダンな感じを人々に与えたと思われる。また、そのビート感覚により、後のロック・ミュージックに与えた影響は大きく、有名なロックグループの「キャンド・ヒート」は、トミー・ジョンソンの[Canned Heat Blues]からその名前を取っている。[Canned Heat ]とは、「缶に詰められた熱さ」で、つまりは酒のことだ。トミー・ジョンソンはそのブルースを地でゆく大酒飲みだったらしく、アルコールから来る障害を抱えていたとも言われている。ジャクソンのジューク・ジョイントやパーティーなどでは1950年代頃まで演奏は続けていたらしい。が、もうすこし新たなブルースを作って録音し、我々にも聞かせてほしかった。
Alcohol,alcohol,cryin' sure,Lord,killin' me
・・・・・・
Alcohol don't kill me Lord, I'll never die [Alcohol And Jake Blues]
オレは、酒に殺されそうだよ、カミサマ・・・
酒さえなけりゃ、ずっと長く生きられそうなのによ・・・
(「密造酒のブルース」1929年12月ウィスコンシン州グラフトンにて録音)