前回取り上げたトミー・ジョンソンと共にジャクソンで活動した、忘れることの出来ないブルースマン、イシュマン・ブレイシー(Ishman Bracey,c1901,Miss~1970,Jackson,Miss.正しくはIshmonだとも)を取り上げよう。ブレイシーは、ギター・ヴォーカル共になかなか器用な人で、1928年にヴィクターに残したチャーリー・マッコイとの録音ではかなり泥臭い演奏をしたかと思えば、1929年のパラマウントへの録音ではNewOrleans Nehi Boysとして都会的でニューオリンズのジャズの雰囲気を残した演奏もしている。少年の頃には、テキサスから演奏に来ていたブラインド・レモン・ジェファーソンの道案内をしたとも言われ、またデルタのミュージシャンとも交流があったらしい。それを考えるとブレイシーの器用さは、ジャクソンという土地がら、つまり地理的な要因が強いのかもしれない。しかしその後、'40年代の終わりか'50年代初めにはその音楽からブルースの要素を捨て、牧師になり宗教的な演奏を続けたと言われている。一説には、スキップ・ジェイムスの再発見時に消息を知っていたのはブレイシーだったとも言われている。宗教者としての繋がりがあったのかもしれない。
P-VINEのCD2433。1928年メンフィス、1929年グラフトンでの録音19曲を収録。'28年2月3日のメンフィスでの録音では、Rosie Mae Mooreという迫力のあるブルース・ウーマンのバックでギターを巧みにこなしている。
ブレイシーにギターを教えたのは、ルービン・レイシー(Rubin Lacy又はRube Lacy,c1901~c1972)とも言われている。レイシーは、2曲しか録音を残していないがその内の[Mississippi Jail house Groan]を下のCDが収録している。
YAZOOのCD2015、『Before The Blues-The Early American Black Music Scene vol1』。
1920年代から1930年代のプリブルース23人(グループ)23曲を集めたオムニバス盤で、様々な国からの移民が混在し、新たな音楽を形成してゆく過程を垣間見ることが出来る名盤。オールドタイム、アイリシュ・リール、黒人教会の説教など、興味ある人には示唆してくれる事が多いだろう。ジャケットの写真は、解説によると1860年頃の撮影とあり、当時のブラック・ストリング・バンド(詳細は不明)の様子を今に伝えている貴重なもの。なにしろ、その頃の日本は幕末からやっと明治に変わる頃なのだ。
他の詳しい収録内容は以下のジャケット裏を参照。
P-VINEのCD2433。1928年メンフィス、1929年グラフトンでの録音19曲を収録。'28年2月3日のメンフィスでの録音では、Rosie Mae Mooreという迫力のあるブルース・ウーマンのバックでギターを巧みにこなしている。
ブレイシーにギターを教えたのは、ルービン・レイシー(Rubin Lacy又はRube Lacy,c1901~c1972)とも言われている。レイシーは、2曲しか録音を残していないがその内の[Mississippi Jail house Groan]を下のCDが収録している。
YAZOOのCD2015、『Before The Blues-The Early American Black Music Scene vol1』。
1920年代から1930年代のプリブルース23人(グループ)23曲を集めたオムニバス盤で、様々な国からの移民が混在し、新たな音楽を形成してゆく過程を垣間見ることが出来る名盤。オールドタイム、アイリシュ・リール、黒人教会の説教など、興味ある人には示唆してくれる事が多いだろう。ジャケットの写真は、解説によると1860年頃の撮影とあり、当時のブラック・ストリング・バンド(詳細は不明)の様子を今に伝えている貴重なもの。なにしろ、その頃の日本は幕末からやっと明治に変わる頃なのだ。
他の詳しい収録内容は以下のジャケット裏を参照。