文化逍遥。

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わたしのレコード棚―ブルース28、Texas Alexander,

2011年07月27日 | わたしのレコード棚
 テキサス・アレキサンダー(Alger “Texas” Alexander.c1900,Leona.Tex~c1955,Houston.Tex)は、ブルースマンとしては珍しく、全くのヴォーカリストであったらしい。少なくとも手元にある録音では楽器を演奏したものはなく、LPの解説にも楽器は演奏しなかった、とある。録音を聞くと、歌だけで生きていただけに声量が有り、しっかりしたヴォーカルで表現力も豊かだ。が、それ以上に驚くことは、バックに超一流のミュージシャンがついていることだ。それにより、変化に富んだ音楽が形成られている。


Texasalexandervol2
イギリスのレーベルMATCHBOXのLP、MSE214『Teas Alexander Vol.2(1928-29)』。バックでギターを弾いているのは、ロニー・ジョンソンとエディー・ラング。二人ともモダーン・ジャズ以前のジャス系のギターリストだが、多才でブルースを弾いても一流。多少なりともギターを弾く者にとっては、ほとんど雲の上の存在。ロニー・ジョンソンについては、ブルースマンとしての側面も強いので別の機会に取り上げるとして、エディ・ラング(Eddie Lang.1902~1933)はCDを紹介しておこう。

Eddielang
ヨーロッパのレーベルから出たCBC1-043『The Quintessential Eddie Lang 1925-1932』。こなれたピッキングは心にくいばかりだ。
Eddielang2
YAZOOのCD1059、『Jazz Guitar Virtuoso』。ジャズ・ギターの歴史上、忘れることのできない名盤。
エディ・ラングが30歳で死ぬ数年のち、ギブソンがエレキ・ギターを発売している。もし、エディ・ラングがエレキ・ギターを手にしていたら、どんな演奏をしていただろうか。ぜひ、聞いてみたかった。が、歴史に「もし」は無い。扁桃腺の手術が失敗して亡くなったらしい。惜しい事だ。


Texasalexandervol3
同じくMATCHBOXのLP、MSE220『Teas Alexander Vol.3(1929-30)』。A面では、サイドギターにリトル・ハット・ジョーンズ(Little Hat Jones,1899~1981)、カール・デイヴィス(Carl Davis)。そしてB面では、前回紹介したミシッシッピー・シークスが伴奏をつけている。


 テキサス・アレキサンダーは、資料によってまちまちだがライトニン・ホプキンスの従兄弟だったとも叔父だったとも言われている。いずれにしろ、親戚だったのだろう。のちに、ホプキンスをバックに録音を残している。それが、手元には無いのが残念だ。


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