文化逍遥。

良質な文化の紹介。

2000年アメリカ映画『オー・ブラザー』

2020年03月24日 | 映画
 我が家にあるDVDから、最近観直した一枚。



 監督はジョエル・コーエン、制作はイーサン・コ-エンで、コーエン兄弟の作品。主演のユリシーズ・エヴァレット・マックギル役にジョージ・クルーニー。ギリシャ神話の英雄「オデュッセウス」はローマ神話では「ユリシウス」さらにその英語読みで「ユリシーズ」、ここでは「冒険譚」を意味している。時は1930年代、大恐慌の只中にあるミシシッピーで、エヴァレットは鎖につながれ過酷な労働を強いられる囚人のひとり。妻の再婚話を聞き、何とかそれを食い止める為に、重い鎖につながれたままの他の二人の囚人と共に脱走を試みるが・・・。

 冒険譚としても楽しめるが、ブルースやオールドタイムなどアメリカのルーツ音楽を随所に使っており、わたしのようなギターを弾いている者にとっては勉強にもなる作品だ。特に、十字路(クロスロード)で悪魔に魂を売ったという黒人ブルースマン(クリス・トーマス・キング)が登場し、その名前がトミー・ジョンソンで、彼の演奏するのはスキップ・ジェイムスの曲。とまあ、そんな訳で、笑える設定にもなっているし、そのトミーがKKKに生贄にされそうになるリアルな場面もある。
 当時の状況を、どれ程正確に伝えているかは正直なところ分からないが、アメリカのルーツ音楽に興味がある人には、楽しめて勉強になる作品と言えるだろう。

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