King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

久々の桜のトンネル

2017年04月10日 12時31分57秒 | 珈琲
当店の近所には、市役所と西武秩父駅があり、
どちらもリニューアルして新しい秩父の始まりを
予感させます。

さて、そんな折、その変化がどうも昔の記憶と
軋轢を起こすような事象もあり、今の団子坂の上の
景色はあまり喜べないものがあります。

というのは、毎年当店の上の羊山には提灯が灯り
桜のお祭りの雰囲気がありますが、かつてのように
その下で宴会を催すような団体もなく、町は桜の
宵に酔うこともないようにひっそりとしています。

市役所の周りを見てみても桜が咲いた華々しさが
なく、かつてこの辺りに花見ごろの賑わいもありません。

その原因を考えると祇園の夜桜のように地域に愛され
護られている花というのが秩父にはないような気がして
桜の木があちこちで邪魔物的に扱われせっかく咲いても
寒々しい景色ばかりなのが気になります。

今月のブレンド『太陽マジック』は風雪を耐え、一気に
草木が芽吹き花付く春をイメージしていますが、
年々冬が暖かくなり、春の持つイメージも生ぬるい
だけのものになっていないかと気にかかります。

花を見てこれはまさに太陽マジックと感じたかつての
賢治のこころと同じ感動をいつも持ちたいものです。

花見の会が催される様子もなく、それでも毎年咲く
桜の景色。

そんなときに長瀞の桜新道を夜通ってみたらそれは
きれいに咲き誇り、今まで何度も通った年月と過ごした
記憶ともろもろを感じて何か時間のトンネルをくぐっている
ような不思議な体験をしました。

ライトアップや桜まつりとは関係なくただ桜だけが静かに
人と関係なく咲いてそれがどこまでも続いてみられること
も忖度せず咲き誇っている姿に妙に安心もありました。

今度は桜吹雪の中を通りたいと思います。
コメント
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